「速すぎた戦闘機」速度も上昇も優れたロケット航空機が消えた納得の理由とは? 異名は「恐怖の彗星」

燃焼に酸素を必要としないロケットエンジンは、宇宙空間だけではなく地球の高高度の飛行にも適しています。にも関わらず、現在まで戦闘機がほとんど存在しないのはなぜなのでしょうか。

ロケット軍用機はその後も研究されたものの…

 

 同機実践投入後や戦後にもロケット軍用機の研究は行われました。ドイツの敗戦間際には、Ba 349「ナッター」というロケット戦闘機も登場しました。同機は戦闘後、エンジンを分離して再利用し、パイロットは脱出するというシステムでしたが、部隊配備されたのは1945年4月だったために実戦参加はなかったとされています。

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Me163「コメート」を参考に開発された日本の「秋水」(画像:サンディエゴ航空宇宙博物館)

 また、旧日本陸軍でも「コメート」の図面を参考に、局地戦闘機「秋水」の開発が行われましたが、実戦投入されることはありませんでした。

 第二次世界大戦後も、アメリカやイギリス、ソビエト連邦ではロケット戦闘機の研究が続けられました。さすがにヒドラジンで飛ぶことはなくなりましたが、推進剤の内容物が変わってもトラブル時にエンジンが爆発、炎上する危険性などはロケット推進剤の特性として残りました。

 なお、量産化はされていないものの、1947年10月14日に史上初めて音速を突破した航空機「X-1」も、ロケットエンジンを使用していた機体となっています。

【画像】えっ…ロケット⁉ これが、世界で初めて音速を超えた航空機です

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コメント

1件のコメント

  1. このMe163をどこが開発したのか本文に出てこないね。画像はアメリカ空軍のものだけど。