やる気スイッチ入ります!「最新ステルス戦闘機」についた小さな“コブ” 実は空自の本気度を測る重要パーツでした
航空自衛隊も運用するステルス戦闘機のF-35「ライトニングII」には、レーダー波をわざと反射させる部品を取り付けることがあります。このパーツの有無で、同機の「本気度」がわかるようです。
任務に応じてワザと付ける場合も
アメリカ軍はこれまでにF-117「ナイトホーク」、F-22「ラプター」、B-2「スピリット」と各種ステルス機を運用してきましたが、いずれの機体にもF-35と同じようにレーダー・リフレクターを装着することができます。

レーダー・リフレクターの有無はその機体のステルス性に影響しますが、作戦中は常に外されているというワケではありません。たとえば、外国機による領空侵犯に対応するスクランブル任務の場合、ステルス戦闘機は意図的にレーダー・リフレクターを取り付けた状態で発進していきます。
これは領空侵犯機に対応する場合、自分の機体の存在を知らせることが相手への警告となるからです。また、他国の軍用機の眼前まで接近した際に、ステルス機としてのレーダー反射特性を知られないという防諜的な意味もあります。
F-35によるスクランブル任務は、航空自衛隊だけでなく、アメリカやNATO(北大西洋条約機構)諸国でも実施されており、任務中にロシアなどの外国軍機への対応も行っています。F-35のような機密性の高い戦闘機が、平時の任務に防諜を確保しながら任務を行えるのは、レーダー・リフレクターという機器があるからこそだといえるでしょう。
F-35のようなステルス機は、兵器も機内のウェポンベイに収納できるため、その外見から任務を推測するのは困難です。そんなステルス機において、レーダー・リフレクターはその任務と役割をうかがい知れる数少ない特徴だといえます。また、同時に現代の航空戦が外見だけでは判断できないほど、さまざまな要因が絡み合った複雑なものへと進化している証左だともいるかもしれません。
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info
コメント