“新快速リユース列車”も世界が評価 「鉄道界のアカデミー賞」ブルネル賞に日本の列車が多数 じつは“共通点”がある?
鉄道分野の優れたデザインに贈られる国際的な賞「ブルネル賞」が2025年に11年ぶりに復活し、日本勢が多く受賞しました。受賞した日本勢の鉄道車両には共通点がありました。
手掛けた車両が「ダブル受賞」 デザイナー語る
ウエストエクスプレス銀河のデザインを担当したのはイチバンセン一級建築士事務所代表取締役の川西康之氏です。川西氏が設計デザイン統括を務めた新潟県の第三セクター、えちごトキめき鉄道が運行している観光列車「えちごトキめきリゾート雪月花」ET122形1000番台もまた、2025年ブルネル賞の「奨励賞」に輝きました。
上越妙高―糸魚川間を走る雪月花は2両編成のディーゼル車両で、窓の横幅は2.3mと鉄道車両として国内最大級です。新潟県の鉄道車両メーカー、新潟トランシスで製造し、”all made in NIIGATA”(全てが新潟製)を合い言葉に開発。車内には燕三条地域の金属加工品、越後杉、滑りにくく耐水性に優れた新潟県産の瓦を床に敷くなど特産品をふんだんに採用しています。
審査員は雪月花について「非対称で真っ赤な外装、異例と言うべき大きな窓、美しく快適、多様で非常に高品質な内装を備えている」と評価しました。
川西氏は受賞後、筆者(大塚圭一郎:共同通信社経済部次長)の取材に対して「私どもがプレゼンを作成・応募した2件のウエストエクスプレス銀河、えちごトキめきリゾート雪月花がそれぞれ優秀賞、奨励賞をいただきました。また審査員コメントからも丁寧にコンセプトを読み取っていただき、ありがたく、大変うれしく思っております」との感想を寄せました。
前回も「優秀賞」だったデザイナー
もう一つの優秀賞を受けたJR九州のデンチャは2016年に営業運転を開始。2両編成で、外観は白色をベースに客室の両開き扉は地球をイメージした青色で装飾しています。客室内の座席は青色を基調にしたファブリックと木材を組み合わせ、座席両端の袖仕切りは伝統工芸の「組子」をモチーフにしたデザインです。

水戸岡鋭治氏が率いるドーンデザイン研究所が担当。同じく水戸岡氏が手がけたJR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」も、前回2014年のブルネル賞優秀賞を受けています。
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