道路建設で「史跡が出てきた!」そのときどうした? 壊さず“豪快に避けた”道たち
道路建設によって多くの史跡が失われた一方、その保存が模索されたケースもあります。大胆に道路の線形を変えて守られた史跡を紹介します。
市長選挙の争点となった遺跡保存
こうした「遺跡の保存と道路」が、選挙の争点になることもあります。
埼玉県北本市では、2023年の市長選挙において、土地区画整理事業地内で発見された「デーノタメ遺跡」の保存のあり方が大きな争点となりました。
立候補した現職は「都市計画道路を迂回させて遺跡を保存し、国指定史跡化を図る」と表明。新人候補はこれに対し区画整理を急ぐよう主張しましたが、現職がダブルスコアでの圧勝となりました。
この選挙結果を受け、北本市は遺跡周辺エリアを区画整理事業区域から除外し、都市計画道路は遺跡エリアの西側を大きく迂回するルートへと変更し整備することとしています。
そしてデーノタメ遺跡もまた2024年10月に国史跡へ指定され、それに伴い2025年8月に都市計画変更がなされました。
Writer: 植村祐介(ライター&プランナー)
1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。
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