先頭で合流、やっぱ“ズルい”? 「ファスナー合流」の理想と現実 立役者の区間は“どこでも合流”可能に
高速道路の「ファスナー合流」を世に知らしめた区間が大きく変わり、構造的にファスナー合流を意識する必要がなくなります。では、そのファスナー合流、どれくらい広まったのでしょうか。
「ズルい」という相変わらずの溝
では、「ファスナー合流」そのものは、どれだけ浸透しているのでしょうか。実際に走っていると、渋滞する合流部の手前側で無理やり入り込もうとするクルマを、左からサーっと追い越して合流部の先頭まで進んで入ろうとするクルマも見かけるようになりました。

しかし、この状態ではファスナー合流の効果は限定的です。いたるところで合流が発生するため、場合によっては本線側のクルマが何度も譲ることとなり、速度が低下し、渋滞の要因になります。
また、合流車線の先端まで行って合流することには、「ズルい」と感じる人がいるのか、なかなか譲ってくれない人もいるといわれます。SNSでは、「ファスナー合流するワタシ。ずるいと思われてるのか? 早く一般常識になって欲しい」「ファスナー合流知らない人多すぎて絶望してる」といった声も。
個人向けカーリースサービス「カーリースカルモくん」を運営するナイル株式会社が2240人に向けて行った調査では、本線へ合流する場所で「合流車線の終わり」を意識すると答えた人は29.5%だったといいます。
手前側で合流すると答えた人からは、「先まで行って合流できないと怖いから先に入っておいたほうが安心」といった声があるほか、先頭で合流するクルマに対して「ラクして割り込もうとしていてずるい」「少しでも先に行きたいせっかちな人」とネガティブな印象を抱いている人もいると明らかにしています。
同社はこの結果をもって、ファスナー合流が十分に浸透しているとはいえないとしていますが、3割の人がファスナー合流を意識しているというのは、一定程度、認知が広がった結果という側面もあるでしょう。ただ、「先頭で合流」派と「手前で合流」派の溝は埋まらないのかもしれません。
ちなみに、NEXCO中日本の関係者に聞いたところ、前出した名神の上り線(一宮JCT合流部)で始めた「ファスナー合流大作戦」に続いて実施した下り線(一宮IC合流部)では、上り線ほどの効果が得られなかったといいます。このため、3車線化以前に、加速車線と本線を区切るラバーポールの区間を当初よりも短くしたそうです。
23号線上りの庄内新川橋手前の合流も
横入り放題です
ムカつきますよちゃんと並んでると