『終末ツーリング』にも登場した箱根・芦ノ湖の“謎の海賊船”そもそもどうやって山中の湖まで運んできたの? え、実は山で作られた!?

『終末ツーリング』の作中で登場した箱根の芦ノ湖の海賊船。現実ではひときわ目立つ海賊船型の観光船が有名ですが、あの大型海賊船は、このような山奥までどこから運び込んだのでしょうか。

あんなに大きい船がなぜ湖に浮いている?

 2025年10月4日、さいとー栄さん原作のマンガをもとにしたアニメ『終末ツーリング』の地上波放送が始まりました。第1話の舞台は荒廃した箱根周辺で、現実世界では小田急グループの箱根観光船が芦ノ湖で運航している「箱根海賊船」に似た船が、陸に打ち捨てられ、朽ち果てている様子が描かれています。

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停泊中の「クイーン芦ノ湖」(画像:箱根観光船)

 ところで、芦ノ湖は山中にある火山活動により形成されたカルデラ湖で、水源となる川は存在していますが、そもそも船を運べるような川幅はありません。このような大型の海賊船はどのようにして運び込まれ、浮かべられたのでしょうか。

 小田急グループの箱根観光船が運航する「箱根海賊船」は、これまでに何度か代替わりをしており、2025年現在、運航中の最新船「クイーン芦ノ湖」は、総トン数318トン、全長35メートル、全幅10メートル、最大541人が乗船可能という、山奥の湖には不釣り合いなほど巨大な船です。スワンボートのような小型船であれば陸路での輸送も可能ですが、このような大型船をそのまま運ぶことは不可能です。

 この謎についてですが、箱根観光船によると、実は船体をいくつかのパーツに分けて輸送しているそうです。芦ノ湖には港が3か所あり、そのうちのひとつである桃源台港の乗り場の近くには実は造船用のドックがあり、そこで船の最終的な組み立てが行われています。

「クイーン芦ノ湖」の場合、建造を担当したのはJMU(ジャパンマリンユナイテッド)で、船体は横浜事業所鶴見工場でいくつかのブロックに分割した状態で建造されました。そのパーツを大型トレーラーで芦ノ湖湖畔の工場まで運搬し、現地で船体の接合や艤装工事を行うという工法が採用されました。

 この工法は「ブロック工法」と呼ばれ、第二次世界大戦中、アメリカで大量に建造された輸送船「リバティ船」の建造に用いられたことで知られており、戦後は造船業における主流の手法となっています。

 ドックで組み立てられた観光船は、芦ノ湖で進水し、試験航行を経て就航します。なお、芦ノ湖のドックは船体の組み立てだけでなく、定期的なメンテナンスを行う施設としても機能しています。

 ちなみに、同じく芦ノ湖で遊覧船を運営している、富士急グループの箱根遊船に関しても造船所で製造されたパーツを、湖の南端にある関所跡港のドックで組み立てて、就航させ、運航開始後の整備などを同ドックで実施しています。

【そういうことか!!】これが、運ばれて建造される海賊船です(写真)

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