さいたまのど真ん中「混雑バイパス」で大型路線バス“自動運転”開始! “トロトロ運転”に非ず? 大学の通学路線が舞台に

さいたま市が西武バスや国際興業、埼玉大学などと共同で、自動運転の大型路線バス運行の実証実験を開始します。一般試乗のスタートに先立って報道陣向けの試乗会が実施されましたが、どのような取り組みとなるのでしょうか。

実際の乗り心地はどうか?

 今回の実験では、いすゞ「エルガ」をベースとした自動運転バス1台を運行する計画で、まずは部分的な操縦を自動化した「レベル2」での検証を行います。一般試乗の実施期間は11月4日~13日で、1日に往復4便ずつを運行する計画とのこと。試乗は事前予約制となっており、定員は1便あたり23名。運賃は無料です。

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公道に出ると車内のモニターには「自動運転中」の表示が(乗りものニュース編集部撮影)

 走行するのは北浦和駅~埼玉大学までの約3.7kmで、ルートの大半は、浦和と所沢を結ぶ国道463号「浦和所沢バイパス」の一部、通称「埼大通り」の直線区間となっています。埼玉大学の学生をはじめ多くの乗客が利用する区間で、2023年度には年間187万人がバスを利用しています。反面、片側1車線なうえに、市内南部における東西方向の交通が集中している道路でもあるため、運転手の負担減につながるかが注目されています。

 なお実際の運行では、バスロータリーなどから公道へと出る場合に運転手が手動で運転を行いますが、公道に出てからは基本的に自動運転モードが主体となります。試乗会では、車内に設置されたモニターに「自動運転中」の表示が出た際、運転手がハンドルから手を放して走行する姿がモニターに映し出されたほか、障害物などのリアルタイムの検知状況も紹介されました。

 自動運転モードは最高40km/h。こまめなブレーキによる減速動作が多い印象でしたが、これは自転車などの障害物に対して、安全マージンを意図的に大きく取っているためです。それ以外は手動運転と遜色ない印象で、同乗した報道陣や関係者などからも、驚きの声が挙がりました。

 市は今後、実験結果を精査しながら自動運転バスの導入を推進していく方針で、2029年ごろには公道における実質的な完全自動運転に相当する「レベル4」での運行を見据えています。

 式典には、さいたま市の清水勇人市長も出席してバスに試乗。「乗り心地もよく、技術の高さに非常に驚きました。引き続き、将来的な運転手不足の解消に向けて安心安全な自動運転レベル4の実装を目指したい」とコメントしました。

【本当に手を放してOK!?】これが「自動運転バス」走行の様子です(写真で見る)

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