「歩行者地獄」から一転! マナーの悪いドライバーたちが横断歩道でピタっと止まるようになったワケ “罰金大国”台湾の本気が凄かった
交通事故に遭う人の数が、日本の約5倍という高水準にあるのが台湾です。海外メディアにも長年「歩行者地獄」と、交通マナーの悪さを批判されてきましたが、近年この状況が変わりつつあります。何があったのでしょうか。
「歩行者地獄」台湾の罰金制度は日本より厳しい!
あまりの交通マナーの悪さから、海外メディアにも長年「歩行者地獄」と批判されてきたのが台湾です。交通事故に遭う人の数も日本の約5倍という高水準でしたが、近年、この状況が改善されつつあります。
筆者は台湾に年3〜4回は行っている、根っからの台湾ファンです。現地では毎回レンタカーで行動しているのですが、ここ数年ほどの間に、驚くほど変わったことがあります。それは、右左折するクルマやバイクが、横断歩道を渡る歩行者に道を譲るようになった点です。
日本人からは「そんなの当たり前でしょう!」と思われるかもしれませんが、前述のとおり、かつての台湾の道路は「歩行者地獄」の状況でした。ドライバー側にも「歩行者よりクルマやバイクのほうが偉い」というような悪しき考え方を持っている人々が多く、クルマが歩行者に道を譲ろうとしようものなら「何停まってんだ!」とばかりに、後続車から激しくクラクションを鳴らされることも珍しくありませんでした。
では、台湾の交通マナーはなぜここ数年で改善しつつあるのでしょうか。大きな要因は、台湾ならではの「罰則制度の強化」にあるようです。
台湾政府の交通部は、2023年に「道路交通管理処罰法」の規則を改正しました。これに伴い、クルマが歩行者を優先しなかった場合の反則金は、6000元(2025年10月末時点のレートで約3万円)へと大きく引き上げられたのです。日本での同等な違反に当たる「横断歩行者等妨害等違反」の反則金が9000円(普通車)であることを考えると、この罰則はかなり重いことがわかります。
また現地では警察官だけでなく、交差点付近に設置された監視カメラや、市民からの「密告」によっても取り締まりが行われています。なかには、第三者から提供されたドライブレコーダーの映像によって違反が発覚するケースもあるとのことで、罰則自体を強化するだけでなく、こうした相互監視の強化も交通マナーの改善につながっている模様です。




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