トップガンで有名な F/A-18「スーパーホーネット」初飛行から30周年! 新型機配備開始も「あと10年」どころかもっと延長も!?
2025年11月29日、アメリカ海軍の空母艦載機として運用されている F/A-18E/F「スーパーホーネット」戦闘攻撃機が、初飛行から30周年を迎えました。
実は中身もガワも F/A-18「ホーネット」と大きく違う?
2025年11月29日、アメリカ海軍の空母艦載機として運用されているF/A-18E/F「スーパーホーネット」戦闘攻撃機が、初飛行から30周年を迎えました。
同機は、マクダネル・ダグラス社(現ボーイング)が開発したF/A-18「ホーネット」の発展型で、機体規模の大型化や高出力エンジンへの換装、アビオニクスの更新などを施し、兵器搭載量や作戦行動半径(戦闘行動距離)を大幅に向上させています。
外観はF/A-18「ホーネット」(レガシーホーネット)と大きく変わらないように見えますが、実際にはコックピット周辺や前方胴体の一部を除き、共通部品はごくわずかで、ほぼ別機体といってよい存在です。
分かりやすい違いとしては、レガシーホーネットの丸型エアインテークに対し、スーパーホーネットは角形の大型インテークを採用している点、そして機体全体がより大型化している点が挙げられます。そのほかにも、エンジンやアビオニクスはもちろん、ランディングギア、主翼下ハードポイントの配置など、多くの箇所が再設計されています。
本来、アメリカ海軍はA-12「アヴェンジャーII」や艦載型F-22であるF-22Nの導入を計画していましたが、可変翼へのこだわりや予算問題、冷戦終結などが重なり、計画は相次いで中止。その代替として1991年からスーパーホーネットの開発が本格的に進められました。スーパーホーネットは1999年のコソボ空爆で初めて実戦に参加し、その後のイラク戦争でも地上攻撃などに従事しています。
元となったホーネット系列の高い信頼性もあり、艦隊防空を担った F-14、艦上攻撃機のA-6「イントルーダー」、さらには電子戦機 EA-6B も、スーパーホーネットをベースとしたEA-18G「グラウラー」によって刷新されました。その結果、2000年代後半には、アメリカ海軍空母の艦上機はスーパーホーネットとその派生機が中心となりました。2025年現在は、新型艦載機F-35C「ライトニングII」の配備が進んでいますが、当面はすべてを F-35C に置き換えることは難しく、早くても2030年代中盤まではスーパーホーネットが運用され続けると見られており、次世代艦載機F/A-XXの計画が遅延した場合はさらに伸びる可能性があります。
なお、スーパーホーネットといえば、2022年公開の大ヒット映画『トップガン マーヴェリック』に登場した機体として知られていますが、実は配備初期の頃から映画出演歴があり、2001年公開の『エネミー・ライン』で早くもスクリーンデビューを果たしています。ちなみに、『インデペンデンス・デイ』でもF/A-18の活躍は有名ですが、公開が1996年ということで、こちらの機体はさすがにレガシーホーネットになります。





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