「背広を着たビジネスマンが乗る“原付”」 スーパーカブと並ぶもう一つの“ビジネスバイクの金字塔”を今こそ振り返りたい!
2025年11月で原付一種バイクの新車生産が終了。注目を集めたのは、やはりというべきかホンダのスーパーカブ50ccの生産終了でした。しかし、ホンダにはもう一台の忘れてはならないビジネスバイクがありました。それが「ベンリイCD50」です。
2007年の排ガス規制に適合せず…! 39年の歴史に幕
ベンリイCD50がビジネスシーンを飛び越え、一般ニーズへと派生していったわけですが、この間も実直に実用車であり続けました。1998年にはTUFFUPチューブを標準装備し、パンク発生に対する不安を軽減させたほか、1999年にはベンリイCL50と合わせて排出ガス規制に適合させるべく、ブローバイガス還元装置を装備し、キャブレターの最適化を図りました。
しかし、2007年の排出ガス規制では、燃料供給がキャブレターでは対応できないことを理由に生産終了となり、39年の歴史に幕を閉じることとなりました。
今もって世界的な評価を浴び続けるスーパーカブに比べれば、ベンリイCD50の評価はあまりに地味な印象です。しかし、特に1970年代、背広を着たビジネスマンが黒いボックスのついたベンリイCD50にまたがり、街中を走っていた風景を知る筆者からすると、実はスーパーカブと並ぶ高度成長期を支えた大事な1台だったようにも感じます。
控えめなベンリイCD50の外観を思い出すと、昭和時代のセピア色の風景が脳裏に浮かんでくるのは筆者だけでしょうか。
Writer: 松田義人(ライター・編集者)
1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。





CL50、まだたまに運転しているけれど、実は自分の車やバイクの中で唯一車両側の故障で動けなくなったバイクだったりする。
耐久力低いのに部品がない。
今はその後継とも言える、電動バイクのベンリィeが、ビジネスバイクとして活躍している
郵政バイクは、もうだいぶカブからベンリィeに入れ替わっている