賛否が分かれる「角目カブ」そんなにダサいか…? 今こそ称えたい「原付史上ナンバーワン」スーパーカブ

ビジネスモデルやゲタ車、そして遊びのバイクとして67年間も支持されてきたホンダ「スーパーカブ」。その長い歴史のなかでも、やや“異端”な存在とみられるのが、1982年よりラインナップされたいわゆる「角目カブ」です。

2012年には「オール角目」に!

 角目カブは1986年の改良で2回目の名称変更を受け、モデル名からスーパーが取れて「カスタム」へと改められます。また、1988年にはスーパーカブの30周年を記念した特別仕様車が設定されたほか、1989年にはシリーズ最大の排気量を持ち、“タイカブ”とも呼ばれるタイ仕様の角目モデル「カブ100EX」も逆輸入されました。

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1982年のスーパーカブ50スーパーデラックスにはモンツァレッドに全身をまとったレアモデル、通称「赤カブ」も存在(画像:ホンダ)

 しかし、角目カブは低燃費でバリエーションも充実していたにもかかわらず、人気は今ひとつ盛り上がりませんでした。カブファンの多くは、「伝統的なデザイン」を重んじる傾向があり、生まれ変わったかのような「角目デザイン」に拒否反応を示す人も少なくなかったようです。

 それでもホンダは「角目カブ」を諦めず、細やかな改良を行いながら生産を続けました。1993年の改良では燃費が数値上で160km/Lにダウンしましたが、それでもシリーズで最も低燃費なモデルという称号は維持し続けました。

 そして、角目カブの初登場からちょうど30年が経った2012年、スーパーカブ50が「ニューベーシックカブ」を開発コンセプトに掲げ、フルモデルチェンジを果たします。この新型モデルは驚くことに、まるで“角目カブと丸目カブの中間”のようなデザインになっていたのです。

 言わば、シリーズ全体が角目カブの側へと近づいた結果になったのですが、生産が中国に移管されたこともあり、ユーザーからは否定的な意見も集まりました。この影響もあってか、スーパーカブ50は2017年のマイナーチェンジで再び丸目のデザインに。こうして、角目カブはラインナップから姿を消しました。

 筆者は30年以上にわたる角目カブの歴史について、「なんとしても『角目カブ』を浸透させたい!」と願ったホンダと、「こんなのカブじゃない!」とばかりに抵抗感を抱き続けたユーザー側との“攻防戦”だったようにも感じています。

 その一方、一部のファンの間では「むしろ『角目カブ』じゃなくちゃ」という向きもあり、特にカスタムベースとして重宝されるケースも少なくないようです。筆者も個人的には「角目カブ」擁護派で、次に乗るなら絶対「角目カブ」が良いと考えています。パワフルで低燃費なエンジンと“ダサカッコいい”ルックスを持つ角目カブもまた、スーパーカブとして意義深いモデルと言えるでしょう。

【ダサいって言うな!】これが歴代「角目カブ」です(写真で見る)

Writer:

1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。

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