物流の主役「767」生産終了へ 後継の本命「787貨物機」なぜ出ない? ハイテク機ゆえの“意外な弱点”とは

航空貨物の世界で「最強の使い勝手」を誇るボーイング767。しかし、環境規制により間もなく生産終了の予定です。後継機として期待されるのが「787」の貨物機仕様ですが、なかなか登場しないのはなぜでしょうか。

ハイテク機ゆえの悩み? 「787貨物機」を阻む壁

 なぜボーイングは、売れ筋間違いなしの787貨物機をすぐに出さないのでしょうか。

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ボーイング777-8F(画像:ボーイング)

 ひとつは、ライバルであるエアバスへの対抗です。エアバスが最新鋭の大型貨物機「A350F」を発表したため、ボーイングは対抗馬として、まずは大型の「777-8F」を急いで開発する必要があったと考えられます。

 そしてもうひとつは、787自身が抱えていたトラブルも影響を及ぼしたと考えられます。

 少し前の2023年、787は製造上の不具合が判明し、納入停止や改修に追われていたという背景があります。いわば「自分の体の不調を治すのに手いっぱい」で、新しい仕事(貨物機の開発)に着手できる状態ではなかったのではないでしょうか。

 さらに、技術的な「壁」も影響したと考えられます。

 ボーイング787の機体は、従来のアルミ合金ではなく「カーボン(炭素繊維複合材)」でできています。

 軽くて丈夫な素材ですが、金属のように切ったり貼ったりする加工が難しく、貨物機にするために胴体を切り抜いて大きなドアを付ける工事が、従来機よりも格段に難しいとされています。

 メーカー純正の新造貨物機だけでなく、中古機を改造する「P2F(Passenger to Freighter)」にも暗雲が垂れ込めています。

 2025年12月現在、カンザス・モディフィケーション・センターやイスラエル・エアロスペース・インダストリーズなどが787の貨物機改修の検討を進めていますが、炭素繊維ボディの加工難易度などの問題により、技術は確立されていません。

 つまり、新車も出なければ、中古のリフォーム機も作れないという、まさに「八方塞がり」な状況となっているのです。

 世界中の物流を支えてきたボーイング767の生産が終了する2027年は、目の前に迫っています。しかし、その穴を埋めるべき「ちょうどいい後継機」は、技術とコストの壁に阻まれ、いまだ姿を見せない状況です。

 物流業界が抱える「後継機不在」の悩みは、私たちが想像する以上に深刻なのかもしれません。

【こんなんあったの?】B767貨物機の「ギンギラJAL仕様」(写真で見る)

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