消滅寸前! 45年走り続けた「半蔵門線の電車」8000系もうすぐ引退へ “細かな違い”の多さは歴史の厚み!?

東京メトロ半蔵門線で、従来の8000系電車から新型の18000系電車への世代交代が進んでいます。2025年度中には完了する予定で、2025年12月時点で営業運転に就く8000系は残り2本となりました。

東京メトロ8000系はどんな電車?

 東京メトロ半蔵門線で車両の世代交代が進行中です。2021年に始まった8000系電車を新形18000系電車に置き換える計画は2025年度中に完了する予定で、2025年12月時点で営業運転に就く8000系は残り2本となりました。

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引退が進む東京メトロ8000系電車。写真の第2編成もすでに引退している(柴田東吾撮影)

 8000系は1980(昭和55)年、営団地下鉄(現・東京メトロ)が半蔵門線用の車両として導入しました。

 この車両は、デザインや走行機器に革新がありました。

 車体の色は、半蔵門線のラインカラーであるパープルのラインが用いられています。車両の先頭部は、前面を傾斜させたスタイルながら丸みを持たせた形状で、前照灯を角形としたデザインが採用されました。側面は営団車両で初めて、一枚の窓が下方向へスライドして開くタイプの「一段下降窓」を採用し、大きな窓となったことで見た目もすっきりとしています。

 8000系が登場した1980年頃は地下鉄の車両に冷房がないのが一般的でしたが、8000系は冷房が設置できるようにあらかじめ準備が施され、後の増備車両は当初から冷房を搭載しています。

 車内は既存車両から内装を変更。座席の背もたれに模様を入れて乗客が座る位置を明確にしています。

 走行機器は、改良形の電機子チョッパ制御を採用し、回生ブレーキの動作範囲を広げることでブレーキによって回収できる電力を増やし、省エネルギー化を図っています。また、部品点数が少ないボルスタレス台車を本格的に採用して省メンテナンス化を目指しました。さらに、東急新玉川線(当時)・田園都市線との相互直通運転を行うべく、東急の車両に合わせる形で運転台にはT形のワンハンドルマスコンを採用しています。

 8000系で導入された一段下降窓・冷房準備・着席位置の明確化といった仕様は、千代田線や有楽町線で増備された車両にも反映されました。

【惜別】8000系の車内と後継の新型車両を見る(写真)

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