東京メトロに海外の地下鉄を任せたら「快進撃!!」 “日本式”は何をどう変えた? 英国鉄道大手CEOに聞いた
東京メトロや住友商事と提携してロンドンの地下鉄を運営している英国鉄道大手Go-Aheadグループ。今回その経営トップが単独インタビューに応じ、「東京メトロに期待すること」を明かしました。
総合デベロッパーとしての東京メトロ
そんなヴァーワーCEOがエリザベス線の運行パートナーである東京メトロに期待することは何でしょうか。注目するのは、意外な点でした。
「日本の鉄道会社は単に鉄道を運行するだけの会社ではなく、むしろ総合デベロッパーみたいな存在だ」と指摘します。
「鉄道会社が(線路や駅の)不動産を所有しているうえ、(駅周辺に)劇場、ショッピングセンターなどを含む商業施設も運営している」、つまり「エンターテインメントやショッピングで人々を楽しませる」という役割を担い、「人が集まったところに鉄道を通して各家庭をつなげる」という貢献をしているとみているのです。東京メトロも、渋谷マークシティや渋谷ヒカリエなど、数多くの不動産事業を通じ沿線地域の活性化を推進しています(東京メトロウェブサイトによる)。
むろん鉄道会社は営利企業ですから、社会貢献だけではやっていけません。しかし日本式の鉄道会社は「商業施設の収益を鉄道事業に回してより良いサービスを乗客に還元できる利点」があるため商業的な成功も見込めると同氏は分析しています。
乗客が鉄道をストレスなく利用できるために必要不可欠なのが、定時運行率(予定時刻から5分以内の時間で発車できた割合)の向上ですが、これには日本人特有の「完璧を追求する姿勢」がとても参考になるそうです。
エリザベス線の時刻表作成にあたっては東京メトロのアドバイスも受けています。エリザベス線の2024年度の定時運行率は89.5%(ロンドン交通局による)と、遅延・運休が日常茶飯事の欧州では驚異的な良さを誇っていますが、東京メトロの定時運行率99%(東京メトログループ サステナビリティレポート2024による)に到達すべく努力しているそうです。





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