「あれ、従来車も変わってる…」新型デビュー間近の「京王」で進んでいた“異変”3選
京王線の新型2000系電車の営業運転開始が控えた京王電鉄。実は従来の車両も、少し変わったものが登場しています。今回は京王線・井の頭線の車両で見られる「異変」を三つ紹介します。
イスと床が黒い京王線の電車
京王線では、サンリオキャラクターのラッピングトレインがリニューアルされ、2025年3月から運行されています。今まではピンク色の車体にサンリオのキャラクターや花を取り入れたデザインでしたが、リニューアル後はキャラクターが小ぶりとなっています。
車体の色は、銀色に赤・青の京王カラーの組み合わせですが、先頭部は濃紺に変わり、京王多摩センター駅の装飾の色に合わせています。
サンリオキャラクターの装飾が施されたのは9000系電車の9731編成ですが、この編成は外観のリニューアルのほかに、内装や走行機器のリニューアルも行われました。
内装はモノトーンとなり、各車両で車いす・ベビーカースペースを増設。優先席の部分は床の色を変えて明確化され、座席の手すりも増設されています。
座席や床の色は厳密には灰色系ですが、色が濃いために黒く見えます。また、壁や天井の色は薄い灰色系ですが、白く見えます。さらに、優先席付近のピンク色系の床と合わせると、黒・白・ピンクの色使いになっています。サンリオのキャラクターで言えば、「おねがいマイメロディ」のクロミ(マイメロディのライバルキャラ)に似た色が使われています。
走行機器や補助電源装置も換装され、走行機器ではフルSiCによるVVVFインバータを用いることで省エネルギー化が推進されています。
2025年11月には、9000系9735編成がリニューアル車両の2本目として営業運転に復帰しました。この編成はラッピングが行われておらず、外観は従来の9000系と変わりません。しかし、内装や走行機器がリニューアルされ、ちょっとした「異変」になっています。リニューアルされた9000系は、今後も増えていく予定です。
Writer: 柴田東吾(鉄道趣味ライター)
1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。





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