「ホントに令和!?」 築100年級ゴロゴロ 富山地鉄の「本気で古い」激シブ駅舎5選【立山線編】 訪れるなら今のうち?
富山地方鉄道では一部区間の廃止が取りざたされています。同鉄道には昭和のまま、いやそれ以前の時代の雰囲気をそのまま残すレトロな駅が多く、今回はその中から上滝・立山線の趣ある5駅を紹介します。
上滝線・立山線:岩峅寺(いわくらじ)駅 タイムスリップ度・・・★★★★★
上滝線の終点でもある立山線の岩峅寺駅。この駅も、とやま近代歴史遺産100選の選定駅です。
ちなみに岩峅寺という寺は現存せず、富山県中新川郡立山町の地名に残るのみです。その立山町には、立山を御神体として信仰する雄山(おやま)神社が存在します。小山神社には立山連峰の主峰・雄山に建つ峰本社、同町芦峅寺(あしくらじ)エリアに構える中宮祈願殿、そして岩峅寺エリアの前立社壇があり、このうち中宮祈願殿は芦峅寺、前立社壇は岩峅寺を前身としています。寺なのに神社?とハテナマークが浮かびますが、これは、神仏習合色の強い寺社ゆえとのことです。
地方鉄道の駅舎としては大きめな二階建ての駅舎は和風なイメージで、出入口の屋根を唐破風(からはふ)としていますが、これは前立社壇を模したものでしょう。岩峅寺駅はロケにもたびたび使用されており、駅舎内の待合室壁面には、2009年に公開された映画の撮影風景が飾られています。
立山線に対して上滝線はV字状にホームを構える乗換駅のため、駅構内は広く取られています。駅舎のみならずホーム上や乗り換え通路を覆う屋根、上滝線ホームに建つ待合室、上滝線の線路脇に残る昭和初期に建てられた変電所、駅名の文字などに、現代では生まれ得ない要素がたくさん詰まっています。
なお駅舎が完成した時期は、立山鉄道(立山線の前身)と富山県営鉄道が駅を開業させた1921(大正10)年8月、もしくは1956(昭和31)年の両説がありますが、1947(昭和22)年撮影の航空写真では、画像が不明瞭ながらもこの規模の駅舎が確認できないため、後者の時期に建てられたのではないでしょうか。
立山線:横江駅 タイムスリップ度・・・★★★★★+
横江駅は岩峅寺駅のひとつ立山寄りの駅で、1921(大正10)年の開業時は現在とは別の場所に設置されていました。現横江駅は尖山(とがりやま)駅として1931(昭和6年)に開業しており、その後1965(昭和40)年に駅名変更を受けて尖山駅が横江駅に、旧横江駅は上横江駅となりました。しかし本来の横江駅だった上横江駅は、1997(平成9)年)に廃止されています。
並走する富山県道6号線富山立山公園線から少し入った場所にある横江駅ですが、道路からは駅の案内もなく、木々の中にひっそりと木造駅舎が建っています。開業時のものと思われるこじんまりとした駅舎は、改築・改装などを少なくとも長い期間行っていないようで、失礼ながら廃墟のようにも見え、もはや侘び寂びの世界すら漂わせています。ホーム上の風待合室も風情たっぷりで、駅舎と駅周辺の風景は、令和時代とは思えない空間を作り出しています。
駅舎・待合室含め窓枠はすべて木製で、アルミサッシの類は一切見られません。目に見えるものがほとんど木製という駅舎は、今や日本でも貴重なものでしょう。





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