東武に負けっぱなし? “行き止まりローカル線”のままでいいのか「JR日光線」 実は今でも“東京最速ルート!?”

日光へ向かう最古の鉄道ルートがJR日光線です。長きにわたり東武と競合してきましたが、現在はどのように利用されているのでしょうか。

実際に乗ってみると

 国鉄分割民営化後の1988(昭和63)年から、JR東日本は池袋~日光間に臨時快速「日光」を運行。1992(平成4)年に特急化し、日光線は特急運行路線となります。1994(平成6)年から1999(平成11)年までは、藤沢~日光間に豪華車両251系による臨時特急「ビュー日光」が設定されるなど、JR化後も東武と競合する優等列車の運行は続きました。2003(平成15)年からは新宿~日光間に、特急形189系による快速「やすらぎの日光」が運行され、千葉駅や平塚駅発着も設定されています。

 しかし、2006(平成18)年に“雪解け”を迎えます。JR東日本が東北本線栗橋駅から東武日光線に直通する特急「日光」「きぬがわ」「スペーシアきぬがわ」の運行を開始し、日光線の優等列車は消えました。

 その後、2018(平成30)年に観光車両「いろは」も投入されましたが、2022(令和4年)年に引退。現在では、E131系電車によるワンマン運転のローカル輸送が行われています。

 筆者(安藤昌季:乗りものライター)は、2025年9月の平日に13時10分の日光発普通列車で全線乗車してみました。日光駅では60人程度が乗車し、外国人利用客もかなり見られました。今市駅で20人、下野大沢駅で3人、文挟駅で1人、鹿沼駅と鶴田駅で各10人が乗車し、大半が宇都宮駅で下車しています。

 折り返し14時15分宇都宮発は91人が乗車しました。東北新幹線からの乗り換え客と見られる、大荷物の乗客や、外国人観光客、団体客も見られました。ただ、鶴田駅で13人、鹿沼駅で42人、下野大沢駅で10人、今市駅で30人が下車して、日光駅まで乗車したのは19人だけでした。車窓は田園風景で、遠景で日光三山が見えるくらいで、それほど変化はありません。

 乗車して感じたことは、宇都宮~日光間は普通列車で43分程度と時間がかかるため、指定席が必要ではないかということです。デュアルシート車とすれば、需要に対応できるのではないかと感じられます。

 また、今さらではありますが、短絡線の設置と直通列車運行は検討されて良いと感じます。計測したところ、東北本線(宇都宮線)と日光線の分岐部まで5分かかります。そして分岐部は建物もありません。つまり、宇都宮駅での折り返しを避けるだけで、15分程度は短縮できると考えられます。

 上野東京ラインがありますから、かつての準急「日光」と同等の速さなら、東京~日光間1時間40分台となります。インバウンド需要は増加しており、羽田空港アクセス線の開業も控えています。「サフィール踊り子」のような豪華列車を設定しても需要はあるのではないでしょうか。

【写真】日光線の電車と車窓を見る

Writer:

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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