「列車の代わりに乗れるバス」に勝ち目なし? 鉄道の存続危うし「自治体も消極的」の声 インバウンド“年45万人”来訪の沿線

インバウンド客で賑わう長野県白馬村。新幹線駅と結ぶ「臨時バス」まで出動している一方、並走するJR大糸線は利用が低迷しています。バス転換の可能性もささやかれるローカル線の現状を取材しました。

訪日客数が浮上も、沈んだ鉄道利用

 シンクタンクの研究員が筆者に対して「パウダースノーでスキーを楽しめる日本のスキーリゾートは訪日客の人気を集めており、ブームの火付け役になった北海道虻田郡ニセコ町に続いて白馬村も人気が急上昇している」と指摘した通り、白馬村を訪れる外国人旅行者数はうなぎ登りで推移しています。

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降雪後の白馬駅の駅舎外観(大塚圭一郎撮影)

 白馬村によると、2024年の外国人観光客延べ宿泊者数は44万7474人と前年より77.2%増えました。国別で最多なのがオーストラリアからの19万9885人で全体の44.7%を占めた一方、中国からは1万78人と全体の2.3%にとどまっており、日中関係悪化による訪日客数減少の打撃が限られるのも強みです。

 しかしながら、沿線の鉄道利用者数は低迷が続いています。大糸線のうちJR西日本が管轄している糸魚川―南小谷間の平均通過人員は1日当たり150人、JR東日本の南小谷―白馬間は同234人と、路線の将来について国や自治体、運行事業者が話し合う協議会を設置する目安となる同1000人を大きく下回っています。糸魚川―南小谷間は2022―24年度の平均で、100円の収入を得るのに2132円の経費がかかりました。

 冬の行楽シーズンに訪れた筆者は、白馬駅前の喫茶店が早朝6時半過ぎなのに外国人客で満席になっているのに驚きました。ところが白馬6時55分発の南小谷行きステンレス製電車E127系100番台に乗ると、2両編成の車内に外国人は皆無でした。地元利用者もごくわずかで、途中駅では乗降客がありません。プラットホームの端に雪が積もった南小谷へ定刻の7時14分に着きました。

 南小谷から北は非電化区間となり、JR西日本がディーゼル車両キハ120形で運行しています。筆者が気がかりだったのは、積雪の中で列車が予定通り走るかどうかでした。というのも、前日は降雪のため全列車が運休したからです。

 幸いにも平岩(糸魚川市)発南小谷行きの2両編成のキハ120形は定刻の7時20分より遅れたものの到着。折り返しの糸魚川行きとなり、座席がほぼ埋まった状態で出発しました。

 雪深い中で列車は、フォッサマグナの西縁(糸魚川・静岡構造線)に沿って流れる姫川と並走します。列車が姫川を渡って左岸に出ると、しっかりとした道が敷かれているのが見えました。これが「JR大糸線増便バス」の運行経路となっている国道148号で、長野県大町市と糸魚川市を結ぶ片側1車線の道路です。

 国道148号の制限速度はおおむね60km/hです。これに対し、線路規格が簡易線扱いで線形も悪い大糸線は“必殺徐行”と揶揄される制限速度25km/hの区間もあります。

 乗車時は8時36分に糸魚川駅へ到着。定刻より3分遅れたものの積雪に見舞われた中での運行としては奮闘しました。

【勝負にならん…?】これが大糸線の「列車の代わりに乗れるバス」です(地図/写真)

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