海自向け「巨大戦闘艦」の心臓部を富士通が生産へ 日米連携の裏で火花散らす新型イージス艦のレーダー競争

海上自衛隊向けに建造中のイージス・システム搭載艦(ASEV)。その中核となるSPY-7レーダーの重要部品を、富士通が国内製造することになりました。ただ、その裏には、後に光次期イージス艦のレーダー選定が大きく絡んでいました。

こんごう型の後継艦向けでライバルと熾烈な受注合戦

 一方、ASEVとは別に、2022年12月決定の防衛力整備計画では、海上自衛隊のイージス・システム搭載護衛艦(イージス艦)を10隻にすることが明記されています。内訳は、4隻が既存のあたご型とまや型、4隻が老朽化したこんごう型の後継艦、そして2隻が新規増勢分になります。

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2026年2月12日、都内の会場で署名式に臨む富士通の宮崎健一郎ナショナルセキュリティ事業本部 本部長(左)とロッキード・マーティンのウィリアム・L・ブレア アジア&イン地域統括副社長兼チーフエグゼクティブ(右)(小林春彦撮影)

 この、こんごう型後継艦(DDGX)に関しては、防衛省内で現在、さまざまな検討が進められています。そのひとつが2025年度からの「イージス艦に関する調査研究」で、搭載するイージス・システムとレーダーに関する技術調査が主な内容です。

 そのようななか、搭載レーダーの候補として名前が挙がっているのが、前出のロッキード・マーティン製SPY-7と、RTX(レイセオン)のSPY-6です。技術的な説明は省きますが、どちらを選択しても現在のイージス艦が搭載するSPY-1レーダーに比べ探知性能は大きく向上するため、性能面では優劣はないといわれています。

 さらに、あたご型とまや型についても、将来的にSPY-1を新たなレーダーに換装する必要があります。共通性を重視すると、DDGXに採用されたレーダーが以降のイージス艦へのアップデート用に採用される公算が高いでしょう。

 では、性能面で大きな差がないとすれば、ふたつのレーダーのセールスポイントは何でしょうか。

 簡単にまとめれば、SPY-6はアメリカ海軍の次世代水上戦闘艦に搭載されるだけでなく、既存のイージス艦(アーレイバーク級ミサイル駆逐艦)の換装にも用いられるレーダーであり、日米間の相互運用性に優れている点が挙げられます。

 一方、SPY-7はASEVに加えDDGXと増勢分の新型イージス艦に採用することによるスケールメリット、と言えるのではないでしょうか。

【写真】輸出も視野! これが富士通が造る「SPY-7レーダーの心臓部」です

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