「中国製旅客機」の客室、欧米のライバルと比べると? 「エアバス・ボーイング」の“爆売れ機”との違い、入って知る

中国で運用が始まった小型旅客機「C919」。海外の航空ショーでその機内を観察する機会がありました。ライバル機と目されるエアバスA320やボーイング737と比べ、どのようなものだったのでしょうか。

「操縦室の電源も入れますよ」のサービスぶり

 客室へ入ってすぐ、前方部分に上位クラスである「ビジネスクラス」が並びます。A320、737もこうした座席配置がスタンダードです。そのビジネスクラスは左右に2席ずつあり、座席幅もアームレストも広く、テーブルが出されていたので座ることこそできなかったものの、クッションも適度な硬さがあるように見受けられました。

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JALのボーイング737-800の客室(乗りものニュース編集部撮影)。

 続くエコノミー席は、横3-3席の配置で、これもA320や737では標準的な仕様です。前後の間隔も「エコノミー席らしい」ため、背もたれを倒す角度もA320や737とさほど変わらないと考えられました。背もたれの背面に液晶画面は付いていませんでしたが、これは商用運航しない社有機のため仕方ないのかもしれません。

 ただし、機内にいた案内役の社員はエコノミークラスへ入るや否や「中央の席は左右に比べて半インチ(1.27cm)広くなっています」とアピールされました。

 生地の触れ心地を確かめ「さほど悪くない」と思いつつ中央の座席を見ましたが、半インチの差まではあるか分かりません。しかし、真っ先に伝えてきたことから、C919の特徴とうかがい知ることができました。左右の座席に挟まれた通路の幅は、歩いた感覚ではA320、737共に変わらず標準的。頭上の荷物棚はやや高さが少ないように思いましたが「足りない」わけではありませんでした。

 次の取材が控えていたために客室の最後部にあるギャレーまで観察できませんでしたが、総じてサービスに必要な要素は揃えていると感じた次第です。操縦室については液晶画面の表示はオフになっていましたが、広報の社員は「必要がありましたらAPU(補助動力装置)を入れて表示させます」と言ってもきたので、COMACとしてC919の完成度に自信を持っていると判断できました。

 先述のとおり現在C919は国内運航のみ。欧米での実用化に不可欠な「型式証明」の取得もしていません。とはいえ、中国の総人口は約14億人とされ多くの乗客の反応を聞くことにもつながり、今後改良が進むことも考えられます。ただし、欧州のEASA(欧州航空安全機関)については、取得に前向きであるという報道も見られます。

 ということは、次は欧州の航空ショーへ出展し、EASAの認証獲得へ攻勢をかけるのでしょうか。この質問に対し、広報の社員の答えは、「7月に英国で開かれる航空ショーは今のところ出展はしないと思います」でした。とはいえ、かつてに比べて開放的な対応だったことから、いずれはC919が欧米の承認取得へ乗り出す可能性はあると、今回の内覧で筆者は感じました。

【写真】えっ…これが「中国版A320/737」驚愕の客室です

Writer:

さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。

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