戦闘機の「ステルス化」は無敵じゃない!?「ステルス破り」狙う最新レーダー 終わりなき技術競争

最新鋭の戦闘機が持つ「ステルス性能」。レーダーに映らない無敵の技術と思われがちですが、実は「絶対に見えない」わけではありません。ステルスを見破ろうとする最新技術の正体とは、いったい何なのでしょうか。

街中の電波を味方にする逆転の発想「ステルス破り」の最新技術

 ステルス機が電波を「別の方向」へ受け流すのであれば、送信機とは別の場所に受信機を置いて、別の地点で反射を拾えばいい。この送受分離の発想に近いのが「バイスタティック・レーダー」です。

Large 20260301 01

拡大画像

F-22「ラプター」(画像:写真AC)

 さらに、この考え方を「自らレーダー電波を出さない」方向へと推し進めたものに「パッシブ・レーダー(受動レーダー)」があります。

 空の上には、すでにテレビ放送やスマートフォンの通信電波が網の目のように飛び交っています。ステルス機がそこを通り過ぎると、これらの民間電波がわずかに乱れます。パッシブ・レーダーは自ら電波を出さずにこっそり見張り、この電波の乱れを高度な計算で分析して、ステルス機の位置を逆算するのです。

 実際にドイツの企業が、このパッシブ・レーダーを用いて「F-35を追跡できた」と主張し、大きな話題となったことがあります。

 ただ、現地の報道では、当時のF-35は平時の飛行安全確保などのために「レーダー反射器(リフレクター)」を取り付けていた可能性も指摘しています。つまり、意図的に見えやすくしていた条件下の話であり、実戦装備のF-35に対して同じ結果が常に再現されると断定できるものではない点には注意が必要でしょう。

 とはいえ、こうした技術開発は世界中で進んでおり、日本でも防衛装備庁において、既存の放送や通信電波を利用して探知する方式について以前から研究が行われています。また、複数のアンテナを協調させる高度なレーダーの研究も続けられています。

 どちらかが完全勝利することはない、空の裏側で続く「最強の盾」と「最強の矛」の激しい競争。かつての「見えない戦闘機」が、「なんとかして見つける対象」へと変わっていく歴史の転換点に、私たちは立ち会っているのかもしれません。

【メーターがない…】これが最新戦闘機F-35のコックピットです(写真)

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  2. 片山さつき大臣「実態調査はじめます」 街のクルマ屋の「保険代理店打ち切り」問題に新局面 ビッグモーター事件の余波に再び切り込む!
  3. 「海自最大の護衛艦」と「世界最大級の軍艦」が洋上で並んだ! 圧巻の編隊航行を上空から捉えたショットが公開
  4. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  5. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  3. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  4. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号