道路の健全、どう守る? 老朽化進む橋やトンネル、その点検の最前線とは

構造物を傷つけないで内部を探る方法とは?

 研修所内に設けられたさまざまな道路構造物のひとつに、鉄筋コンクリートでできた実物大のトンネル模型があります。普段は目に見えないトンネルの「壁の外側」、つまり土のなかでトンネルを支えている鉄の棒なども再現されているものです。

 こうした土のなかやコンクリートの内部など、目に見えない部分の検査は、最新鋭のデジタル機器などによる「非破壊検査」と、外から叩いたときの音で内部の異常箇所を見つけるというアナログな「打音検査」の双方で行われます。

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非破壊検査法のひとつ、「磁粉探傷検査」。鉄の部材に磁石の粉をかけ、特殊な光を当てることで、目に見えない傷を浮かび上がらせる(2017年1月、中島洋平撮影)。

 コンクリートや鋼材を傷つけることなく、その内部を調べる非破壊検査の方法も、電磁波や赤外線、超音波などを用いる方法や、コンクリート内部の塩分を測定し、その分布の違いから異常を見つける方法などさまざま。このような方法で、構造物の経年劣化を予測し、潜在的リスクを低減させるのだそうです。

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トンネル内の消化栓が正常に動作するかの点検(2017年1月、中島洋平撮影)。

 点検の対象はトンネルや橋そのものだけではありません。トンネル内の消火栓や水噴霧装置といった非常用設備や、標識、照明なども対象です。さまざまな道路施設をつなぐ通信ケーブルが破断されたことを想定し、何十本ものケーブルを手で1本1本つなぎ合わせるという訓練も行われます。

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