「最長昼行特急」を再現/四国一周/最南端から最北端まで縦断… 「日本一の鉄道旅行」オブザイヤー 今年は激戦か!?
優れた鉄道旅行を選ぶ賞「鉄旅オブザイヤー」の第15回(2025年度)のグランプリが4月15日、選出されます。審査員を務める筆者は「前回にも増して激戦になる可能性が高い」と予告しながらも、本命を予想しました。
鉄道旅行のオールスター戦
国内の鉄道旅行に贈られる代表的な賞「鉄旅(てつたび)オブザイヤー」の授賞式が2026年4月15日に鉄道博物館(さいたま市)で開かれ、決選投票でグランプリを選出します。“前哨戦”となる優秀賞(3点)などの賞が26年4月1日に発表されました。
審査員を務めている筆者(大塚圭一郎:共同通信社経済部次長)の採点で上位3位のツアーは全て受賞しました。ただし、グランプリの選出は「前回にも増して激戦になる可能性が高い」と予想しています。その理由を解説するとともに、筆者が現時点では本命視しているツアーも明かします。
旅行業界でつくる実行委員会が主催する「鉄旅オブザイヤー」は2011年度から毎年実施しており、後援にはJR旅客6社全てと日本民営鉄道協会、日本観光振興協会、日本旅行業協会、全国旅行業協会と主要鉄道・旅行団体がそろっていることから「鉄道旅行のオールスター戦」と位置づけられています。
第15回の旅行会社部門は2025年に催行または予定されたツアーが対象となり、応募数は89点と前回を4点上回りました。審査委員長の山口昌彦・月刊「旅の手帖」編集長や筆者ら計10人の外部審査員が一次選考を通ったツアーを採点し、旅行のプロとしての企画力が感じられるか、独創性、乗車する列車や路線の魅力度などを60点満点で得点を付けました。
当時の「最長昼行特急」が“復活”
優秀賞の一つは、2025年に創業120年を迎えた日本で最も歴史のある旅行会社で、現在はJR西日本子会社の日本旅行が、2016年3月に消えた当時の「最長昼行特急」のルートをほぼ10年ぶりに“復活”させた旅行商品「大阪~長野 直通団体貸切列車『日本旅行創業120周年記念号』で行く長野・善光寺」です。
大阪駅と長野駅を2025年12月6、7日に往復した団体臨時列車は「日本旅行創業120周年記念号」と名付けられ、多くの参加者が善光寺を参拝しました。
この商品は過去の二つの行程をほうふつとさせました。一つは名古屋と長野を現在結んでいる特急「しなの」が、東海道本線を西進して大阪駅を発着していた通称「大阪しなの」です。1971年4月から2016年3月まで運転されていました。
大阪しなのは大阪、京都、滋賀、岐阜、愛知、長野の2府4県を通り、走行距離が441.2kmに上りました。同じルートを走った「日本旅行創業120周年記念号」はJR東海が「しなの」に使っているのと同じ特急形車両383系で運転し、所要時間は片道7時間を超えました。
もう一つは、創業3年後の1908(明治41)年に現在の滋賀県草津市から善光寺(長野市)へ貸し切り列車で向かった団体旅行です。当時の行程は神奈川県の江ノ島や鎌倉、東京、栃木県の日光東照宮に立ち寄っており、それらを経由していない今回のツアーは「現代風に復刻した」(日本旅行)ということです。
筆者は60点満点で57点と最高得点を付け、「旅行会社のレゾンデートル(存在意義)と、強い現場を支えるのは旅行業の人材であることを体現した企画で、団体旅行が21世紀も生き残れることを示す“羅針盤”となった作品です!」とコメントしました。





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