ドアありません!!「戦闘機みたいな乗り方」をする“幻のスポーツカー”とは? トヨタが奇跡の“復元”

幕張メッセで開催された「オートモビルカウンシル2026」で、トヨタが幻のコンセプトカー「パブリカスポーツ」の復元車を展示。社内の人材育成プロジェクトでレストアされた小型スポーツカー「スポーツ800」との揃い踏みを果たしました。

戦闘機みたいな「幻のスポーツカー」

 2026年4月10日から12日にかけて千葉県の幕張メッセで開催された「オートモビルカウンシル2026」にて、トヨタが幻のコンセプトカー「パブリカスポーツ」の復元車と、同モデルの市販版に当たる「スポーツ800」を展示しました。

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トヨタ「パブリカスポーツ」の復元車(乗りものニュース編集部撮影)

 パブリカスポーツは小型大衆セダンの「パブリカ」(初代、1961~1969年)をベースに開発された試作モデルで、1962(昭和37)年に開かれた「第9回全日本自動車ショー」で初公開されました。

 本モデルの特徴は、ルーフとサイドのガラスが一体のキャノピー型になっていることです。一般的なヒンジ式のドアは装備されておらず、乗り降りの際は、まるで第二次大戦期の戦闘機のようにキャノピーを丸ごと前後にスライドさせる構造となっています。

 このユニークな設計は、開発リーダーを務めた長谷川龍雄氏(2008年没)によるもの。長谷川氏は第二次大戦中、立川飛行機で「キ94」の翼の設計などを手掛けたエンジニアで、パブリカスポーツにはスライド式キャノピー以外にも、航空機の設計から転用したアイデアが数多く採用されています。

 パブリカスポーツはその後、1965(昭和40)年にトヨタ「スポーツ800」として市販化。空力性能に優れた流線形のフォルムや、軽量なボディ構造はほぼ引き継がれましたが、キャノピー状の屋根は実用性や安全性に難があり、一般的な前ヒンジドアと頭上部のみが着脱可能な「デタッチャブルトップ」に改められています。

 一方、ショーへの展示用に制作されたパブリカスポーツは現存していませんが、2012(平成24)年に当時の図面を基に製作した復元車が完成。スライド式キャノピーも忠実に再現されており、今回のイベントでも開閉の様子が注目を集めました。

 また本イベントでは、トヨタが社内有志で行っている「TOYOTA CLASSIC」という活動の一環でレストアされた、1965年式のスポーツ800も展示されました。本活動を担当しているトヨタの岩澤光一郎氏によると、これは単なるレストア活動ではなく、「人材育成のために行っている」ものとのこと。

 岩澤氏は「旧車の復元によって、モノづくりの思想を感じること、技能の応用力を磨くこと、コミュニケーション力などの人間力を養うことが、『TOYOTA CLASSIC』の目的です。普段は新車の製造などに関わる社員たちが、自らのスキル向上に取り組み、新しい気づきや成長を持ち帰るための場となっています」と強調しました。

【乗り込み方、カッコよすぎ!?】これがトヨタの「戦闘機みたいな試作スポーツカー」です(写真で見る)

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