「典型的なバイク事故」を技術で減らす クルマの性能試験31年目の初導入! しかし“最もヤバいケース”が対象外!? 国交省が慎重になるワケ

自動車アセスメントで、2026年度から対バイク右直事故の試験が初めて導入されます。しかし、評価委員会では慎重論が根強く、最もダメージの大きい事故のリスクが積み残されています。

「いちばん深刻なパターン」は評価対象外 ナゼ!?

 対バイク右直事故の試験方法は、想定する衝突のタイミングによって3種類の交差ポイントが考えられました。

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写真はイメージ(画像:PIXTA)

(1)四輪車フロント中央部分に衝突(EuroNCAP相当)

(2)四輪車フロント左側コーナーに衝突

(3)四輪車前軸の左側端(左側面フロントオーバーハング部)

 四輪車がバイクの進路の手前で停止すれば事故は起きませんが、バイクに気が付かず進路上に入ってしまったシナリオが(1)です。四輪車がさらに深く交差点に進入した場合、車体が右折のため大きく切れ込むので、(2)のようにフロント左側のコーナーに衝突。四輪車が交差点に最も深く進入することで、フロントではなくサイドに衝突したパターンが(3)です。

 交差ポイントは、四輪車が交差点に入るタイミングが、(1)が最も遅く、(3)が最も早く設定されています。自動車アセスメントでは交通事故の「社会損失額」が基準です。社会的損失は(3)のケースが最も高いのですが、2026年度に対バイク試験で導入されるのは、(1)と(2)だけです。

 対バイク右直事故の試験導入を決めた評価検討会では、座長の水野幸治名古屋大学大学院教授が交差ポイント(3)の試験方法策定に迫っています。

「社会損失額では交差ポイント(3)がマジョリティーを占めているので、いつ入れるかという点は残りますが、導入することについてはよろしいですか。自動車アセスメントではやはり死亡事故、重傷事故を減らすのが第一です。そのあたりを踏まえて、2028年をターゲットに、ワーキング(※分科会のこと)に試験方法を作っていただく。ちゃんとワーキングに依頼することを考えているのですけれどもいかがでしょうか」(2025年第2回検討会)

 有識者には、試験方法を確立することで技術革新を促したい、その準備として自動車アセスでの対応を急ぐべきべき、という考え方があります。これに対して国土交通省物流・自動車局は慎重な言動を記録に留めました。

「2028年度をめどに考えることに特に異存はありませんが、どの技術でこの交差ポイント(3)を回避するかによっても、いつ頃、カバーできるかは変わってくると思いますので、そこはワーキングで一度ご議論させていただいて、もし2028年度が難しいということであれば、柔軟に対応させていただくことにしたいと思っています」

【一番ヤバいのが対象外…】「右直事故」試験で想定する“3つのパターン”(画像で見る)

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