「典型的なバイク事故」を技術で減らす クルマの性能試験31年目の初導入! しかし“最もヤバいケース”が対象外!? 国交省が慎重になるワケ
自動車アセスメントで、2026年度から対バイク右直事故の試験が初めて導入されます。しかし、評価委員会では慎重論が根強く、最もダメージの大きい事故のリスクが積み残されています。
国交省が消極的になる「大きな理由」とは
対バイク右直事故の性能評価に国交省が消極的な理由は、技術的な課題にあると言います。
「(車体側面に衝突する)交差ポイント(3)の回避は、バイクの直進に対して予測が必要なため、AEBS(先進緊急ブレーキシステム/Advanced Emergency Braking System)では対応できないとされています。また、右折しようとする前方の車両が、後方の車両で予期できず、追突の恐れがあるという声もありました。ドライバーレスの自動運転の実現を待つ必要があるという意見もあります」(自動車アセスメント担当者)
交差ポイント(3)に対応する市販車が存在しないことで、評価試験について議論することは時期尚早という声があります。一方で、人間の運転で新技術の作動を確認することができれば、車種ごとの性能差を情報提供できるので議論を続けるべき、という考え方もあります。交差ポイント(3)を自動車アセスメントのロードマップに記載できるか否かは、2026年7月開催予定の評価検討会を待たなければなりません。
運転支援の範囲には限界があることを、すべてのユーザーが知っているわけではありません。自動車アセスが☆の評価で優れた安全性能を示すことは重要ですが、同時に「この技術では防げない事故がある」という事実を積極的に伝えることも、アセスの役割ではないでしょうか。それこそが、ドライバーの正しい判断と、より慎重な運転につながるはずです。
Writer: 中島みなみ(記者)
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。





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