50万都市の駅前が「まるで砂漠」 アリーナ計画は“早すぎる頓挫” 71年ぶりの新装から進まぬ再開発の着地点は 松山駅

高架化により71年ぶりに新装された県都の代表駅・その駅前再開発が遅々として進まず、地元住民が「砂漠のようだ」と肩を落としています。目玉となるはずだった大型施設の建設計画も見直しを迫られ、混迷を深めています。

渦中の「駅前アリーナ構想」とは

「国の内外から人を集め、中央商店街や(有名な温泉のある)道後はもちろん、東予や南予のほか四国各県へも送り出すまちづくりを目指す」。松山市の野志克仁市長は「松山駅周辺まちづくりプラン」の記者会見でそう意気込みました。

 コンセプトを「愛媛・四国をつなぎ、松山を楽しむ。」と位置づけた構想では、東口に建設する駅ビルに伊予鉄道市内電車を引き込んで雨天時もぬれずにJR予讃線と乗り換えられるようにします。路線バスや高速バスも駅ビルの1階から乗れるようにし、2階以上には商業・飲食施設やホテル、アミューズメントなどの「にぎわい施設」を誘致して「愛媛・松山の顔としてふさわしい空間と拠点をつくる」(野志市長)としました。

 一方、西口の駅と直結した約9250平方メートルの敷地に5000席規模の多目的アリーナを開設することを掲げました。男子プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」の愛媛オレンジバイキングスの本拠地とすることを想定し、音楽ライブなども開催できるように設計。大規模災害に備えて防災機能を持たせ、避難所や物資の集積拠点として活用すると説明しました。公設民営で運営する場合、事業費は200億円と見積もりました。

 2代目松山駅舎が71年間使われたことを踏まえ、野志市長は松山駅周辺の再開発について「80年、100年に一度の大きなプロジェクトとなる。市民の皆さんと一緒に完成を楽しみにしながら、盛り上げていきたい」と強調しました。

その土地では「いい図面はつくれない」

 ところが、わずか1か月半後の2026年4月30日、アリーナ建設計画は事実上頓挫しました。

Large 20260511 01

拡大画像

高架化した松山駅のプラットホーム(大塚圭一郎撮影)

 愛媛オレンジバイキングスを傘下に抱えるソフトウエア企業、サイボウズの青野慶久社長はこの日の記者会見で、採算性が優れたアリーナを建設するには正方形の約1万平方メートルの敷地が求められるにもかかわらず、長方形で1万平方メートルを下回る予定地では「いい図面をつくれなかった」として撤退を表明しました。

 その愛媛オレンジバイキングスの本拠地となるアリーナの建設地には、松山市に隣接する松前町(まさきちょう)も名乗りを上げています。

 野志市長は「アリーナ計画が白紙になったとは考えていない」と釈明しました。しかし、地元住民からは諦めの声が聞かれ、松山市中心部の城山公園内にある松山市民会館が老朽化で閉館することから「市民会館を移転させることになるのではないか」との見方が出ています。

【図/写真】これが松山駅の「新幹線乗り換え改札」になりそうな場所です!

最新記事

コメント

2件のコメント

  1. 松山市駅がもりあがってるからでは?

  2. とっとと市長は退陣しろ

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス