“地球133周分”533万キロを航行した「にっぽん丸」さらば! 小さなクルーズ船の大きな強みとは? 35年の歴史に幕
商船三井クルーズのクルーズ船「にっぽん丸」が2026年5月10日、約35年の歴史に幕を下ろしました。最後の営業航海を終え横浜港に到着し、多くのファンに見送られ引退セレモニーが開かれました。
コロナ禍を乗り越え国際クルーズ再開第1号に
商船三井クルーズ取締役執行役員の山下晶一朗氏は「私が印象深いのはコロナ禍だった」と振り返ります。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴って2020年から国際クルーズは中断し、業界は大きなダメージを受けました。「にっぽん丸」はその再開第1号として、2022年12月に横浜港・大さん橋を出港し、モーリシャスやシンガポールなどを巡っています。
「全てのオペレーションが一瞬でゼロになってしまった中で、再開の兆しが見えたらすぐに運航ができるように準備していた。モーリシャスへの長期クルーズは、支えてくれたお客様のおかげで成立したクルーズだと思っている」(山下氏)
2013年7月に「ふじ丸」が引退して以降は、「にっぽん丸」1隻でクルーズを続けていましたが、商船三井グループのクルーズ船事業拡大の流れを受けて再び複数隻体制での運航となります。
同社は米シーボーン・クルーズラインのラグジュアリー船を購入し、2024年12月に「MITSUI OCEAN FUJI(三井オーシャンフジ)」(3万2477総トン)としてデビューしました。さらに2026年9月には姉妹船として「MITSUI OCEAN SAKURA (三井オーシャンサクラ)」が就航する予定です。
山下氏は「2隻の船をどういった使い方・使い分けをしていくかというのは、これから試していきたいと考えている。『三井オーシャンサクラ』は日本船籍なので、旅程を作る上で柔軟性が増す。中距離と短距離ともに、2隻でよりバラエティ豊かなクルーズ商品を作っていきたい」と語っていました。
商船三井クルーズによると、「にっぽん丸」は2000本以上の航海を行い、総航行距離は「地球約133周分」に相当する533万2383.964km。国内外400以上の港に寄港、延べ60万人以上が乗船したといいます。
そんな「にっぽん丸」が培ってきた商船三井クルーズの国内クルーズは今後、「三井オーシャンサクラ」へと受け継がれていきます。さらに商船三井グループでは新造クルーズ船2隻を導入することを計画しており、4代目の「にっぽん丸」が生まれる可能性もあります。




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