「世界で3番目に多く船を持っていた国ニッポン」はこうして壊滅した――海に消えた約6万人の“民間船員” 81年目の鎮魂
今年も「戦没・殉職船員追悼式」がしめやかに開かれました。太平洋戦争に駆り出され壊滅した歴史をもつ日本の商船隊。その“教訓”は今も身近にあります。
「平和な海」は当たり前じゃない
現在も日本は原油をはじめ多くの資源を海外からの輸入に頼っており、私たちの生活は物資を運ぶ船舶によって支えられています。しかし、米国・イスラエルによるイランへの軍事攻撃以降、ホルムズ海峡は事実上の封鎖状態が続き、多くの日本関係船舶を含む商船がペルシャ湾に閉じ込められました。原油から精製されるナフサ由来のシンナーや接着剤、プラスチックなど石油化学製品が不足し、お菓子の包装など身近なものに影響が出る中、平和で争いのない海が日常に不可欠であることは、多くの人が痛感しているでしょう。
追悼式に寄せたコメントで、高市早苗首相は「中東地域をはじめ、いまだに争いが絶えることのない世界の中にあって、祖国の未来を思い、蒼海に眠る船員の方々の御霊の御前で、恒久の平和と海上交通の安全に全力を尽くしていくことを、改めてここに固く誓う」と述べました。
「戦没船員の碑」には、「安らかに、ねむれ、わが友よ。波静かなれ、とこしえに」という文字が刻まれています。これは、海運・水産に従事する船員が二度と戦火の海へ行くことがないようにとの祈りが込められています。
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。




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