砲弾より安い!? あり得ないコスパの英国産「超音速ミサイル」日本に猛アピール 横にも縦にもめっちゃ飛ぶ!? 島嶼防衛の切り札かも
ウクライナ戦争で再評価される「砲兵火力」。しかし日本には、広大な海と島々という特有の地理的事情があります。陸上自衛隊が持つ火砲の射程不足を解決するかもしれない、イギリス生まれのユニークな兵器が登場しました。
日本をハブに市場開拓目指す!?
また、セプターはウクライナ戦争のように大量の弾薬を消費するような戦場においての使用を前提として設計されています。そこで重要なのが価格です。
構造の簡素化などにより、セプターは従来の誘導砲弾(概ね10万米ドル前後)よりも低価格な5万米ドル(約800万円)を目標に開発が進められています。また、ラムジェットエンジン用の燃料として、入手が困難なかつ高価な固体ロケット燃料ではなく、液体燃料(ジェット燃料)を採用していることもポイントだといいます。
さらに、ティベリウス社の幹部によると、すでに同社は日本のほぼすべての砲弾・弾薬メーカーと接触しており、そのうちのいくつかとは提携に関する議論も進められていると言います。もし日本企業との提携が決定されれば、陸上自衛隊がセプターの導入を決定した際に日本企業による安定した国内生産が可能となるだけではなく、海外への輸出の道も開けてきます。
じつは、ティベリウス社は日本をインド太平洋市場におけるハブと位置付けており、日本企業製の部品や独自のセンサーを搭載した「日本仕様」のものを含め、日本で製造した製品を各国へと輸出することを目指しているそうです。
日本がハブとして選ばれた理由について、第一に国内に有望な顧客(防衛省・自衛隊)がいること、第二に製造能力(精密加工技術を有する防衛関連企業)があること、第三に試験・評価能力があることという三点を挙げ、さらに外国製品の知的財産権保護に関する状況や地政学的な位置関係なども考慮されたといいます。
ティベリウス社は、すでにイギリス国防省からセプターの開発および試験に関する契約を獲得しているほか、オーストラリア国防省が主導する「低コスト長射程火力(Low-Cost Mass Fires)プログラム」にも参画しています。また、台湾に関しても有望な市場として関係当局と協議を進めているといいます。
今後の南西諸島防衛を考えるうえで、セプターのような長射程かつ低価格な誘導兵器は必要不可欠といえます。さらに、防衛産業を輸出産業へと成長させるためにも、このような企業間連携は日本にとっても魅力的といえそうです。
Writer: 稲葉義泰(軍事ライター)
軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。





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