パンクしてないタイヤも替えなきゃダメですか? 「1本だけ交換」「銘柄違い」がご法度とされるワケ 思わぬ「最悪の事態」とは
クルマのタイヤをパンクなどで1本だけ交換する際、注意が必要です。サイズが同じでも銘柄が違うタイヤを履くと、思わぬトラブルにつながる可能性があるからです。
4WD車は“左右2本だけ”も絶対NG!
では、同じサイズで違うメーカーのタイヤを履くと、どんなことが起きるのでしょうか。材質や排水性能の違いによるグリップ差も挙げられますが、最大の問題は「外径が僅かに異なることで、足回りへ大きな負担を与える」ことです。
特に、駆動輪に左右で異なるメーカーのタイヤを履くのは危険です。駆動輪には曲がる際などに左右で回転差が生じますが、これはデファレンシャルギア(通称:デフ)という装置で吸収しています。しかし左右で異なるタイヤを履いた場合、デフには常に負担がかかってしまいます。そうすると装置はやがて過熱して発火、最悪の場合は車両火災にもつながるのです。
そして、さらにシビアに考えるべきなのは、近年スポーツ車やSUVなどにも多い「フルタイム4WD」のクルマの場合です。
フルタイム4WDは、その名の通り4輪を常に駆動する方式で、前後の車輪で生じる回転差は「センターデフ」と呼ばれる装置で吸収しています。そのため、フルタイム4WD車のタイヤ交換は「4輪とも同銘柄、同サイズで統一」するのが原則。左右はおろか、前後で違う銘柄を履くのも機構的にNGというわけです。
とはいえ、タイヤは相応に高額な製品です。軽自動車用などの小さいサイズならまだしも、特にスポーツタイプや大型車のタイヤは気軽に買えない、というのも実情でしょう。「どうしても1本だけ交換したい」という場合は、担当の整備士さんなどとよく相談し、そのうえで決めることを推奨します。
Writer: 坂上猛禽(ライター)
猫好きな戌年生まれ。幼い頃に見たロータス79のルックスに惚れた勢いでモータースポーツ偏愛を拗らせる。自動車のことであれば市販車・レースカー問わずなんでも食いつくが、どちらかといえば技術と歴史の話が好物。一方で海外取材は未経験のため、当面の目的は「ニュルブルクリンク北コースを自ら走ってみること」と「グッドウッド・フェスティバル現地取材」。





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