戦艦「扶桑」の“違法建築”は何と呼ぶのが正しい? 「艦橋」と「檣楼」なぜ曖昧になったのか

第二次世界大戦期の軍艦、特に戦艦の“顔”となるのは、艦首主砲塔の背後にそびえ立つ巨大な塔状の構造物。この構造物の正式名称を知っていますか?

高さを追求した「檣楼」の発達

 まず、起源が古いのは檣楼です。人類は船を使い始めた早い段階から、風力を利用する帆を発明していました。この帆を張るための帆柱を「マスト」と呼びますが、船が大型化するのに伴って、この「マスト」の上部に見張り台が設けられるようになりました。

Large 20260617 01

拡大画像

捕鯨船もクジラを発見するために、マストの先端の見張り台を活用した(画像:パブリック・ドメイン)

 長い間、軍艦と商船の境界は曖昧でしたが、水平線の向こう側を見張って、海賊船や敵艦を先に発見するには、マストの上が有利だったのです。また遠くから見えるよう、旗を掲げて自艦の意思を伝える信号通信機能も加えられました。

 帆船時代が終わり、蒸気船の時代になっても「マスト」は残り続けました。地球の曲率のため、遠くを見るための観測所や信号通信は、高所に設けることが重要であったからです。このように役割は変わっても、呼び方は帆柱を意味する「マスト」のままでした。

 ちょうどその頃、日本では幕末から明治の文明開化期を迎えました。西洋の船舶、軍艦が大量に導入される際に、この「マスト」には、帆柱を意味する「檣(しょう)」と、見張り台や戦闘用の櫓を意味する「楼(ろう)」を組み合わせた「檣楼」という訳語が充てられたようです。

 以後、軍艦の近代化とともに「檣楼」も発展します。最上部には大型の光学式測距儀や各種観測装置が置かれるようになり、構造も変化します。帆柱の面影を残すシンプルな棒状から、搭載装備の重量増加に対応して、三脚檣のような頑丈な構造が登場します。また「檣楼」の基部から中間のスペースには、観測や指揮、通信設備を備えた台座や区画が積み重ねられるようになるのです。このように「檣楼」は、近代軍艦では観測、通信、射撃指揮を担う複合的な高所構造へと発展したのです。

【個性的!?】写真だと一目瞭然! 日本戦艦の進化で学ぶ「艦橋」「檣楼」の違い

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  2. 都市に迫るロシア軍の「弾道ミサイル」が“空中で木っ端みじん”になる瞬間をウクライナ軍が公開 追尾から撃墜まで詳細に
  3. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  4. 海自潜水艦 アメリカ海軍の“歴戦の揚陸艦”を標的に魚雷発射! 実弾演習で巨大な水柱があがる瞬間を公開
  5. 「海自最大の護衛艦」と「世界最大級の軍艦」が洋上で並んだ! 圧巻の編隊航行を上空から捉えたショットが公開
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  3. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開