アニメ世界が現実に!?「崖登るショベルカー」「4本足のクレーン車」から「虎みたいなモビリティ」まで 進化する「多脚メカ」の現在地
アニメやゲームでおなじみの「多脚ロボット」が、現実世界で続々と実用化されています。おなじみの「かにクレーン」から、ついに人が搭乗できる最新の四脚モビリティまで、進化し続ける多脚メカの最前線を紹介します。
四足歩行マシンに乗れる未来はすぐそこに
アニメやマンガ、ゲームなどの作品中には色々な車両やロボットが登場します。その中で、ユニークな姿をしているものの1つが、カニやクモのような脚で移動する「多脚」のロボットです。広げた脚を活かして歩行し、場合によっては高い跳躍能力や移動能力を持っている描写がされています。空想の産物と思われがちなこの手の機械ですが、現実でも実用化や新製品の開発が進んでいます。
代表的なのは前田製作所が開発・製造する「かにクレーン」でしょう。これは、その特徴的なフォルムが人気を呼んだ珍しい作業用重機です。普段は脚部を折りたたんで移動する小さなクレーン車のような見た目ですが、重量物を吊り上げる際には四本の脚部(アウトリガー)を展開し、車体を地面に固定します。
その“踏ん張る”姿がカニやクモが脚を展開しているように見えるため、「かにクレーン」という名称の由来にもなっています。小さく軽く、それでいてパワーがある使い勝手の良さ。愛嬌のある見た目と十分な実用性を備えた重機です。
スイスのメンツィムック製重機「スパイダー」は、4本の大型脚とそれに付属する巨大なタイヤが特徴的な重機です。最大の特徴は、その名のとおり、クモのような「足上げ」ができる程の安定性にあります。足場の悪い環境での作業を得意とし、通常の重機が苦手とする急斜面であっても存分に作業が可能なほどです。
搭載された腕部のパワーも凄まじく、アームで先端のショベル部分を地面に押し付け、車輪ごと本体を浮かせる離れ業も可能と、まさに“多脚多腕”な重機です。そのパワフルさから、被災地での復旧作業などにも用いられています。
人を乗せてスムーズに移動するという目的では、ツバメインダストリの「アーカックス」が挙げられます。人型の上半身と、四脚それぞれに車輪がついた下半身で構成された人型のロボットのような出で立ちです。脚を動かして移動するのではなく、自動車のように四輪での移動を行うため、搭乗者に負担をかけにくい構造となっています。現状では重機としての利用ではなく、嗜好品、あるいはエンターテインメント面での需要が想定されています。
川崎重工業が開発中のパーソナルモビリティ「コルレオ(CORLEO)」は、人間が背中に乗って移動可能な「虎」の様な形状をしています。車輪を使わず脚部を移動手段として使うことで、不整地や山岳地などを疾駆できる性能が期待されているモビリティです。この機体は2030年の「サウジアラビア・リヤド万博」での展示を経て、2035年の製品化に向けて開発が進んでいるとのことです。
飛んだり跳ねたりはまだ難しいですが、「人が乗れる、脚を動かして走る機械」の実現は、すぐそこまで来ているといっても過言ではないかもしれません。




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