日本じゃ当たり前の「ヨシ!!」を取り入れたW杯開催地の鉄道に乗った 日本語名称のまま世界に広がる?

サッカーW杯の開催地の一つ、カナダ・トロントの通勤列車では、日本の鉄道でおなじみの安全確認方法が採り入れられています。乗車して現場の様子を確かめました。

「車窓に湖を眺めながら通勤してるよ」

 筆者が平日の夕方にユニオン駅のGOトランジットの鉄道コンコースを訪れると、大勢の利用者でごった返していました。モニターには7路線の次に発車する列車が案内されていますが、列車が入線する番線は到着間際まで表示されません。このため、利用者はコンコースで待機し、番線が告げられてからプラットホームへと向かうのです。

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レイクショアウエスト線から眺めたオンタリオ湖(大塚圭一郎撮影)

 筆者はユニオン駅からレイクショアウエスト線に乗ることにしました。GOトランジットの鉄道で通勤している会社員から「座席からオンタリオ湖を眺めるのが日課になっているよ」と聞いてうらやましく思い、オンタリオ湖沿いを走る区間のある路線に乗ることにしました。

 発車番線が案内されたため、ホームの入口でIC乗車券「プレスト」を端末にタッチしました。プレストはGOトランジットや、トロント交通局(TTC)の地下鉄、路面電車、路線バスで使うことができ、日本の「Suica(スイカ)」や「ICOCA(イコカ)」などと同じように乗車時と下車時に端末へかざして精算します。

 帰宅ラッシュ時とあって乗り込んだ客車のクロスシート座席はかなり埋まっていたものの、立っている人はいません。筆者も2階のオンタリオ湖が見える進行方向左側に着席できました。

 サッカーW杯を控えて嵐の前の静けさと呼ぶべきエキシビション駅に停車後、列車はしばらくオンタリオ湖沿いを力走。紺碧色の湖面が広がり、いくつものヨットが岸壁に係留されているのが視界に入りました。所有者は週末になるとヨットに乗り込み、沖合で釣り糸を垂れるのでしょうか。そんなことを想像していると線路は湖から少し離れ、次のミミコ駅に滑り込みました。出発後、鉄道ファンであれば左右のどちらを眺めるべきか戸惑う車両基地郡が視界に入りました。

 左側にはカナダの国営旅客鉄道会社VIA鉄道カナダの車両基地、右側にはGOトランジットの車両基地が広がっているのです。筆者もどちらを眺めるべきか迷いながらも、VIA鉄道カナダの愛好家団体「VIAクラブ日本支部」の会員としてVIA鉄道を選びました。やがて、その選択が間違っていなかったと確信しました。

 留置されていたのはトロント―モントリオール間やトロント―首都オタワ間などで運行されているシーメンス製の新型車両「シーメンス・ベンチャー」が中心でしたが、なんと1950年代に製造されたディーゼル機関車「FP9A」と旧型客車が青色と黄色の旧塗装で鎮座していたのです。

 これらは顕彰団体「VIA歴史協会」が復元・保存している車両で、2028年のVIA鉄道50周年に合わせて記念列車として走らせることを目指しています。

【写真で見る】「ヨシ!!」をするW杯開催地の通勤列車

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