方針決定は2027春 終局を迎える「JR超赤字路線」結論先送り? “次”を模索する動きも
全国初の「再構築協議会」が設置されたJR西日本芸備線。沿線自治体やJRなどが存廃を含めた議論を始めていますが、その実態はどうなっているのでしょうか。今後を見据えた独自の動きも出ています。
主要なお客「高校生」たちの利用も明暗 バス会社は独自施策を展開
気になるのが芸備線の地元の利用状況です。
平日朝夕の芸備線を乗るとわかりますが、岡山県新見市にある野馳駅など4駅から新見駅へ向かう通学生は毎朝20~30人ほどいます。
一方、広島県の庄原市東城町エリアの高校生たちはほとんど芸備線を利用しません。筆者は2024年5月の平日に東城駅5:45発の備後落合行きに乗りましたが、高校生の乗車は、東城駅で0人、途中駅1人だけでした。この列車だと東城駅から備後庄原駅まで1時間40分。かなり不便です。
興味深いのは、備北交通です。庄原市を拠点とするバス会社で、庄原市~広島市間の高速バスを1時間ごとに運転するなど意欲的な取り組みを続けています。注目したいのが、東城~庄原間の高速バスを利用できる企画定期券「通学得々パス」です。
東城町エリアの若者は高校時代に寮生活を過ごす割合が高いのですが、生徒にとっても保護者にとっても負担になっていました。高速バスだと東城駅前7:20発、庄原駅8:00着、所要40分と芸備線より早くて便利でしたが、以前の定期券代は月3万6000円でした。
そこで同社は、地域貢献のため2022年から「通学得々パス」を販売し、定期券代を1万5000円に値下げしました。芸備線の通学定期1万1970円と比べてもそこまで高い値段ではありません。定期利用者は8人から17~23人に増加。月曜朝や金曜夕方は寮生の利用もあるのでバスを中型から大型に変更しました。
また、備北交通は西城地区~庄原間で路線バスを運行しており、JR定期券を持つ高校生へ並走区間のバスに乗れる「備北学生応援パス」(1000円/月)を販売しています。JR通学定期客が庄原・三次地区の市内中心部のバス乗り放題となる「ちょこっとパス」(500円/月)もあります。
同社担当者によると「高校生が公共交通機関に親しむ機会を作りたい」との気持ちでスタートした企画だそうです。芸備線の存廃問題とは無関係な独自施策で、JR西日本や自治体からの財政支援はありません。





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