かつては「渡るのに2時間!?」ハチャメチャに渋滞した橋が大変貌中! 工期16年いま後半戦 貴重な多摩横断ルートどう変わる
東京都の府中市と多摩市を結ぶ「関戸橋」の架け替え工事が11年目を迎えています。かつて“渋滞の名所”として知られたこの橋の工事はなぜ16年もの長きにわたるのでしょうか。
3本の橋が並ぶ架け替え現場
こうして交通量そのものは減少した関戸橋ですが、初代の橋は開通から年月が経っていること、歩道が設置されていないことから、多摩川中流部橋梁架橋計画により2015年から旧橋の撤去、架け替え工事が行われています。
工事は、まず上り線用の橋である新関戸橋の上流側に並行して2車線の仮設橋を設置することからはじまりました。この仮設橋は完成後に2車線の上り線用の橋となり、上り線用だった新関戸橋は、3車線のうち下流側2車線が下り線用、上流側1車線が上り線用へと変更されました。
その後、下り線用だった旧橋を撤去し、3車線、幅員15.0m(うち歩道4.5m)の新橋が架橋されます。2026年6月現在は、この新橋の架設がほぼ完成し、上流側から「仮設橋」「新関戸橋」「新橋」が並行に3本並んだ状態です。
さて、この関戸橋の架け替えは、冒頭に述べたように11年目の工期に入っていますが、工期全体は16年間を予定しているため、工事はさらに5年ほど続きます。これほどまで長い工期になった理由は、多摩川の流れにあります。
現在の関戸橋は橋長375.8mですが、下を流れる多摩川は、ふだんは中州を挟んで右岸側、左岸側に分かれ、それぞれの川幅は約50mです。河川敷や中州を作業スペースとして使えるため、工事の難易度が高いわけではありません。
しかし梅雨時、また夏から秋の台風シーズンの上流部に大量の降水があると、この河川敷や中州は水没します。増水時には多摩川は川幅約350mの大河となり、水面は堤防の天端に迫ります。そうした状況では、河川敷の重機や橋脚に組まれた足場などは、水の圧力の前にひとたまりもありません。そのため、橋脚にかかわる工事や、橋桁の架設のために河川敷や中州に重機を入れる大がかりな工事は、増水の心配の少ない冬季のみに限定されます。これが工期全体の長期化につながっているのです。
とはいえ現在、新橋は橋桁がつながり、床版の施工も完了しています。現地では、中央部が盛り上がるようなアーチを描き、新関戸橋よりもやや高い位置に架設された新橋の姿を、新関戸橋を走るクルマの車窓から、また河川敷や土手上の遊歩道から眺めることができます。





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