果てしなく続く平野に「やたら街から遠い空港」いったいナゼ? 海外もいける“日本最大の農業地帯”空港のポテンシャル
空港から出れば、だたっ広い農業地帯、しかし街まではやたらと遠い――そんな立地ですが、便が充実し、国際線も就航しているという空港があります。
だから「とかち」がつく? 「帯広空港」の不思議な立地
農業がさかんで食料自給率(カロリーベース)が「1200〜1300%」に達するとされる「日本最大の食糧基地」、それが北海道・十勝地方です。最大都市である帯広市には、十勝地方の空の玄関口として「とかち帯広空港」があります。
ただ、空港と帯広市街はかなり遠く、「どうしてこんなに離れた場所に空港をつくったのか」と疑問に思った人もいるのではないでしょうか。
とかち帯広空港には、羽田空港との間に日本航空(JAL)が1日8便(往復各4便)、エア・ドゥ(AIRDO)が1日6便(往復各3便)を就航させています。AIRDOの各便は、全日空(ANA)の提携コードシェア便です。
帯広市の人口は約16万人、周辺を含めても約30万人という地域での「1日14便」は、十勝地方の農業を中心としたビジネスが、いかに首都圏と深く結びついているかがおわかりいただけるでしょう。
とかち帯広空港は、帯広市の南、市の中心部からは約20km離れたところにあります。空港と市街中心部とのアクセスは、空港連絡バスで約40分、クルマで約35分です。
「十勝平野は広大なのに、なぜわざわざ、市街地から20kmも離れたところに空港を作ったのか」――そう思わずにはいられない立地です。実際に帯広空港からクルマで帯広市の市街地に向かうと、車窓から見えるのは果てしなく続く田園地帯です。市街地が広がりはじめるのは中心部の手前5kmくらいからなので、もっと空港を近くに作れたのではないかと、誰もが疑問に思うでしょう。
じつはかつての帯広空港は、1964年に帯広市の南西5kmに開業しました。開業当時の滑走路は1200mで、1972年には1500mまで延長されます。
しかし、航空需要の増大にともなう機材の大型化、ジェット化を見すえたさらなる滑走路の延長を考えたとき、同じ位置での拡大整備は、周辺の都市化、河川に囲まれた地形的な問題から不可能とされました。
そこであらたな空港候補地として6地域8拠点を選定、これに気象条件、騒音などの諸条件を加えて検討した結果、選定されたのが、現在のとかち帯広空港のある場所なのです。
この気象条件については、離着陸の支障となる霧の発生、騒音については周辺での牧畜業との兼ね合いがあったと考えられます。工事着手は1976年、開港は1981年で、1985年には滑走路が500m延長され、2500mとなっています。




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