果てしなく続く平野に「やたら街から遠い空港」いったいナゼ? 海外もいける“日本最大の農業地帯”空港のポテンシャル

空港から出れば、だたっ広い農業地帯、しかし街まではやたらと遠い――そんな立地ですが、便が充実し、国際線も就航しているという空港があります。

だから「とかち」がつく? 「帯広空港」の不思議な立地

 農業がさかんで食料自給率(カロリーベース)が「1200〜1300%」に達するとされる「日本最大の食糧基地」、それが北海道・十勝地方です。最大都市である帯広市には、十勝地方の空の玄関口として「とかち帯広空港」があります。

Large 20260712 01

拡大画像

とかち帯広空港。展望ホールは夜間、飛行機がよく見えるように室内照明が落とされる(植村祐介撮影)

 ただ、空港と帯広市街はかなり遠く、「どうしてこんなに離れた場所に空港をつくったのか」と疑問に思った人もいるのではないでしょうか。

 とかち帯広空港には、羽田空港との間に日本航空(JAL)が1日8便(往復各4便)、エア・ドゥ(AIRDO)が1日6便(往復各3便)を就航させています。AIRDOの各便は、全日空(ANA)の提携コードシェア便です。

 帯広市の人口は約16万人、周辺を含めても約30万人という地域での「1日14便」は、十勝地方の農業を中心としたビジネスが、いかに首都圏と深く結びついているかがおわかりいただけるでしょう。

 とかち帯広空港は、帯広市の南、市の中心部からは約20km離れたところにあります。空港と市街中心部とのアクセスは、空港連絡バスで約40分、クルマで約35分です。

「十勝平野は広大なのに、なぜわざわざ、市街地から20kmも離れたところに空港を作ったのか」――そう思わずにはいられない立地です。実際に帯広空港からクルマで帯広市の市街地に向かうと、車窓から見えるのは果てしなく続く田園地帯です。市街地が広がりはじめるのは中心部の手前5kmくらいからなので、もっと空港を近くに作れたのではないかと、誰もが疑問に思うでしょう。

 じつはかつての帯広空港は、1964年に帯広市の南西5kmに開業しました。開業当時の滑走路は1200mで、1972年には1500mまで延長されます。

 しかし、航空需要の増大にともなう機材の大型化、ジェット化を見すえたさらなる滑走路の延長を考えたとき、同じ位置での拡大整備は、周辺の都市化、河川に囲まれた地形的な問題から不可能とされました。

 そこであらたな空港候補地として6地域8拠点を選定、これに気象条件、騒音などの諸条件を加えて検討した結果、選定されたのが、現在のとかち帯広空港のある場所なのです。

 この気象条件については、離着陸の支障となる霧の発生、騒音については周辺での牧畜業との兼ね合いがあったと考えられます。工事着手は1976年、開港は1981年で、1985年には滑走路が500m延長され、2500mとなっています。

【確かに遠い!】これが「帯広空港」の全貌です(地図/写真)

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  2. 海自の潜水艦が発射した魚雷が「揚陸艦へ突進」 雷跡を上空から捉えた珍しい写真が公開される
  3. ロシア海軍の潜水艦に「異変」! 衛星画像の分析で明らかに 船体に“巨大な傘”を設置か イギリス国防省が指摘
  4. 「海自最大の護衛艦」と「世界最大級の軍艦」が洋上で並んだ! 圧巻の編隊航行を上空から捉えたショットが公開
  5. 片山さつき大臣「実態調査はじめます」 街のクルマ屋の「保険代理店打ち切り」問題に新局面 ビッグモーター事件の余波に再び切り込む!
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  3. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  4. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  5. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由