高速道路から出撃し、回避不能のミサイルを放つ!「グリペン」戦闘機はウクライナの“空の守護神”となれるか?

スウェーデンは退役する「グリペンC」のウクライナ供与を発表しました。注目すべきは同機が運用する長射程・高機動の空対空ミサイルの存在です。

長距離でも高い命中率を実現する「ミーティア」

 グリペン最大の特徴は、その優れた運用性にあります。冷戦期、スウェーデンはワルシャワ条約機構による侵攻を想定し、先制攻撃を受け航空基地が攻撃される事態を前提としていました。そのためグリペンは、高速道路を滑走路代わりに運用できる短距離離着陸性能を備え、わずか数名の整備員によって短時間で再武装・再給油を行えるよう設計されています。

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高速道路から離陸する「グリペンC」。冷戦時代、スウェーデンはソ連による先制攻撃で航空基地が使用不能になることを想定し、戦闘機に運用性の高さを求めた(画像:SAAB)

 これはロシア軍の弾道ミサイルや巡航ミサイル、自爆型ドローンによる航空基地攻撃を日常的に受けるウクライナにとって、極めて実戦的な能力です。機体を分散配置し、生存性を高めながら継続的に航空戦力を運用できる点は、F-16や「ミラージュ2000」とは異なる強みとなるでしょう。

 また今回の供与で最も注目されるのが「グリペン」が運用できる長距離空対空ミサイル「ミーティア」の存在です。この「ミーティア」は欧州各国が共同開発した最新鋭のラムジェット推進空対空ミサイルであり、推定射程距離は200km級だと広く考えられています。その最大の特徴は、飛翔中もラムジェットエンジンによって継続的に推力を得られることです。

 通常のロケットモーター式ミサイルは発射直後に燃料を使い切り、その後は慣性飛行へ移行するため、遠距離では運動エネルギーが大きく低下し、また同時に機動性も低下します。

 一方、ミーティアは目標へ接近する段階までエンジンが燃焼しつづけ高速飛行を維持できるため、回避機動を行う敵機に対しても極めて高い命中率を期待できます。この「ノーエスケープゾーン(回避不能領域)」の広さこそ、ミーティア最大の強みです。

【写真】スウェーデン軍の主力戦闘機「グリペンC」の高い運用性

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