日本唯一!「普通鉄道の交差点」に行ってみた 名古屋の端っこで使われ続けるのはなぜ?
愛知県を中心に私鉄第3位の総営業距離を誇る名鉄には、日本唯一のものも複数あります。その1つが、鉄道の路線同士が直角平面交差、いわゆる「ダイヤモンドクロッシング」。現地へ行き、実物を見てきました。
ダイヤモンドクロッシングが現役であるワケ
名鉄築港線と南北に交差するのが、名古屋臨海鉄道が運用する東築線です。一般的な旅客輸送を目的とした路線ではなく、物資を運ぶ貨物線になります。ルーツとなるのは戦前に名古屋港と全国を結ぶために敷設された県有鉄道で、それが1966年に名鉄へ移管された後、今の名古屋臨海鉄道が運営するようになりました。
貨物線が敷かれていることからもわかるように、ダイヤモンドクロッシングの周辺は大規模な工場地帯です。東名古屋港駅の北側には東レの名古屋事業場があるほか、道路を挟んだ正面には三菱重工業の名古屋航空宇宙システム製作所 大江工場が建っています。すでに定期的な貨物輸送便はないようですが、数十年前にはかなりの需要があったのではないでしょうか。
なお、名古屋臨海鉄道の公式Xでは2026年6月12日に「60周年の東築線、早速の運行です!」という一文とともに、線路上をディーゼル機関車が走る様子が公開されています。
付近はほとんど工場ばかりのため、築港線はかなり独特なダイヤをしています。具体的には平日朝7時台には5本、8時台には3本の運行がありますが、そこから8時間近く運行する電車はゼロ。そして16時台になると、再度運行を開始するという方式になっています。
しかし、決して利用者が少ないわけではありません。筆者が東名古屋港駅を17時台に出発する電車に乗ろうとしたところ、2両編成の電車が窮屈に感じるほど乗客がいました。
また、築港線は鉄道の車両輸送においても欠かせない路線になっています。たとえば東海道本線から名鉄や名古屋市営地下鉄などに向け新造した車両を運んでくる際、この築港線から大江駅を経由して名鉄および名古屋市営地下鉄の各線に運ぶのに使われます。
前述したように、現代におけるダイヤモンドクロッシングはデメリットが目立つ方式です。しかし東築線には少ないながら需要があり、また築港線も決まった時間帯には利用者がいます。
双方ともスポット的な使われ方をしているだけに、ダイヤモンドクロッシングという独特な仕組みが今なお残っているのだと、現地へ行って改めて実感しました。
Writer: 鈴木伊玖馬(乗りもの好きライター)
愛知県生まれ。飛行機が好きで航空博物館などを取材するうち、自動車関係の記事や取材も手がけるようになる。ホンダ「シビック Type R」のようなホットハッチが好み。





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