本数が7割も減った「地下鉄の新駅」今どうなっている? “祭りの後”の様子を見てきた 大多数の乗客は「1駅手前」で下車

大阪・関西万博に合わせて開業した大阪メトロ中央線夢洲駅。閉幕後、利用者は激減していました。多数の利用者を見込んで作られた巨大な駅を訪問してみました。

「祭りの後」の寂しさが漂う

 車内はすっかりガランとなりました。筆者が乗車していた車両には、他に誰もおらず、別の車両もゼロかひとりといったところ。「ゴーッ」という音を立てながら暗闇のトンネルをわずかな乗客を乗せて走る様子は、ちょっとしたホラーのようです。

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白い壁面があらわになった広場。万博開催当時は装飾や広告で賑やかだった(水野二千翔撮影)

 コスモスクエアを出て数分で終点の夢洲に到着。数人の利用者がエスカレーターや階段で階上の改札へと向かいました。「スムーズな乗降のため整列乗車にご協力ください」というアナウンスが流れますが、ホームには人影がなく寂しく響くだけでした。

 開催当時には来場者の整理に大いに活用されたであろう、広大な改札前のコンコースも持て余し気味に感じます。ここには万博開催時から「夢洲LEDビジョン」というサイネージが設置されており、その横幅は約55mにもなります。訪れた当日は夢洲の開発の歴史に関する映像が上映されていました。

 改札付近をチェックしてみると、かつて改札機が置いてあったスペースのほとんどが柵に置き換えられており、使用できる改札機は大阪メトロの誇る顔認証改札を含めて4基だけになっていました。改札を出ると地上へ至る前の広場になっており、万博開催当時にはマスコットのミャクミャクをあしらったり、大きな広告が掲げられたりしていましたが、現在はすっかり取り払われ、白い壁面が見えるだけ。

 地上へ上がると、開催当時は東ゲートへとつながっていましたが、現在では人の背よりも高い白いフェンスに遮られ、それ以上なかに入ることはできません。フェンスに沿って歩くと、ダンプトラックがひっきりなしに走る道路に出ました。遠くには大阪・関西万博の象徴だった「大屋根リング」が解体される姿が見え、当時の華やかさはすっかりありません。

 そろそろ引き上げようと駅に戻ると、作業着姿の人やノートPCを操作したり、ヘルメットをかぶったりしたスーツ姿のビジネスマンの姿が増えていました。解体が進む会場の視察に訪れたようです。日本の建設業界が総力を上げて作り上げた万博会場でしたが、解体現場としてもまた注目を集めており、そのアクセスを担うため夢洲駅は活用されているようです。

 なお、万博会場跡の隣接地では、日本初となるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の工事が進んでおり、2030年に完成する予定です。また大阪市は2026年7月3日、万博跡地である「夢洲第2期区域」の開発事業者の公募を開始しました。現在は祭りの後の寂しさが漂っていますが、近い将来、国際観光拠点として再び脚光を浴びることになりそうです。

【画像】今後は大変貌!これが人工島「夢洲」の開発イメージです

Writer:

レイルウェイライター種村直樹氏に憧れ鉄道・バスライターを志す。これまで「バスマガジン」や「Rail Magazine」で執筆。現在はモビリティ全般に興味を広げ、ドローンや空飛ぶクルマの記事も。国家資格「一等無人航空機操縦士」所持。近著に「ドローン3.0時代のビジネスハック」ほか。

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