ついに「国産LNG船」建造再開へ 日本にエネルギーを運ぶ船は国産で!カギは「韓国との協業」に? 国内最大手が検討
造船国内最大手の今治造船がLNG船の建造再開を検討しています。檜垣社長は日本のエネルギー安全保障上の重要性を強調。建造の課題克服を目指す方針です。
カギは「韓国との協業」?
一方でメンブレン型LNG船について、政府の官民投資ロードマップ(工程表)では「設計・建造ノウハウを有しておらず、建造に必要な設備も整備されていない」と指摘されています。今治造船もメンブレン型のLNG船を建造した経験はありますが、コスト的に厳しく、2019年以降は大規模な案件があっても様子見をしていました。
檜垣社長は「タンクの防熱工事に人手を相当取られる。全体的に人材不足の中でどう確保するかということが一番大きな問題だ。LNG船を建造する各企業同士でコストが上がらないような方法を考えなければいけない。当社グループや他の造船所も含め、企業間の垣根を越えた人の融通というのは、必要になってくるのではないか」と述べています。
その上で「メンブレン型LNG船の建造では防熱工事等のパネルは、韓国から買ってきた経緯がある。今後もサプライチェーンを考えると、韓国造船といろいろな意味での協業が出来れば良いと思っている」と話していました。
今治造船の2025年度の売上高は、前年度比29%増の6005億円です。「大型コンテナ船の竣工が始まったことに加え、円安にも恵まれて、6000億円台の大台を超えることができた」と檜垣社長は説明。2025年度の受注は81隻、406万総トンを獲得し、手持ち工事量は4年分を確保しました。今年、グループ会社となったジャパンマリンユナイテッド(JMU)の2025年度の売上高は3980億円で、これを合わせるとグループ全体で1兆円規模の売上となっています。
檜垣社長は「LNG船はもう10年近く作っていない。韓国や中国はずっと連続建造をしており、そこと10数年ぶりに再開する造船所との価格、コスト差というのは、どうしても出てくるのではないかと思っている。それでも、日本にとってLNG船は必要な船というのは間違いない」と語っていました。
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。





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