「日本三大車窓クルーズトレイン」を体験 「姨捨2回」その実力とは? しなの鉄道「ろくもん」(写真27枚)

車内で和膳に舌鼓、そして「日本三大車窓」姨捨駅へ到着

 17時過ぎ、上田駅に列車が到着すると、アテンダントがほら貝を「ぷおぉー」と吹き鳴らし、その合図で列車のドアが開かれます。これは、しなの鉄道沿線ゆかりの戦国武将、真田信繁(幸村)の軍がいくさでほら貝を合図に使っていたことに由来するそうです。

 記者の座席は、3号車「レストランカー」のコンパートメント。向かいあったソファーのあいだに設置された大きな木のテーブルには、二段の重箱が用意されていました。「小布施 鈴花」(長野県小布施町)による、長野県産の食材が多く使用された特製の和膳で、ドリンクとともに楽しむことができます。

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アテンダントが吹くほら貝の合図で列車のドアが開けられる。
車内で提供される「小布施 鈴花」の料理。
ご飯ものは、信州ポークの角煮添え。

 その後は、暖かい汁ものやご飯もの、食後には抹茶と茶菓子、そして水菓子などが、ツアーの進行に応じて提供されていきます。メニューはその時々で旬の素材を生かすよう、毎回少しずつ変えているそうです。

姨捨駅ではボランティアが風景を解説

 篠ノ井駅(長野市)を出た列車は坂をのぼり、いったん停車。そして進行方向を変える「スイッチバック」を行って18時02分、姨捨駅に到着しました。40分ほど停車し、まずその夕景を楽しみます。ここでは地元のボランティア団体「楽知会」が、その風景について説明してくれました。

「眼下に善光寺平の棚田が見えるでしょう。『水田のひとつひとつに月が映る』ことから、この風景は『田毎(たごと)の月』と呼ばれています。実際にはそう見えることはないのですが、江戸時代、広重の浮世絵にそのように描かれたことで、一躍有名になりました」(楽知会)

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広重の浮世絵に描かれた「田毎の月」を解説する「楽知会」のボランティアスタッフ。
スイッチバック構造の姨捨駅。左はJR東日本の観光列車「リゾートビューふるさと」。
姨捨駅の事務室はイベントスペースになっており、演奏会も行われる。

 姨捨駅には「四季島」乗客向けの専用ラウンジが設けられているほか、この「日本三大車窓」の夜景を楽しむことを目的としたJR東日本の臨時快速「ナイトビュー姨捨」も運行されています。

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