20トンの車体がつり上がる! 東京メトロ、近隣住民限定で「深川車両基地」10年ぶり公開(写真35枚)

東京メトロが、東西線の車両基地である深川車両基地を10年ぶりに公開。近隣の住民300人が車両保守の現場を見学しました。同社初という「近隣住民限定」での車両基地見学会、背景にはある思いと、基地公開についての課題がありました。

20トンの車体が吊り上がる! 車両工場へ

 車両工場は、4年以内にいちどの「重要部検査」と、8年以内にいちどの「全般検査」という、いずれも電車の各機器や部品を分解して行う、大がかりな検査が行われる場です。

 工場内には、台車(車輪などがある部分)が取り外された車体が並び、奥の「台車職場」と呼ばれる場所では、台車から分解された車輪や車軸がずらり。日々の走行で汚れ、塗装がはがれた台車もここで洗浄され、「台車塗装ロボット」によってきれいに再塗装されます。

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高い天井から光が差し込む車両工場内。
「台車塗装ロボット」による塗装は映像で紹介。
車輪のボルト締めに使われる大きなレンチ。

 そのほか、工場内では実際の電車に使われているパンタグラフを、ボタンを押して上げ下げしたり、リフトカーと呼ばれる昇降機に乗って、車体の天井を上から眺めたりする体験、また、車輪回りの部品に異常がないかを確かめる「打音検査」の体験などが行われました。

「ボルトを金づちで叩いてみると、一部だけ音が違うでしょう。こうして音で、ボルトのゆるみを確かめるのです」と、インストラクターに教わりながら、子どもたちが実際に金づちで叩き、音の違いを注意深く確かめていました。

課題もある車両基地の公開 今後はほかの基地でも?

 天井近くに取り付けられた電動クレーンで車体を持ち上げ、台車と分離する実演も行われました。車体の重さはおよそ20トン。「電動、上げ!」の号令とともに、15トン吊りクレーン2台でその車体が高く持ち上がると、「おおーっ」と歓声が上がりました。

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打音検査の体験。
パンタグラフの上げ下げを体験。
リフトカーで15000系の屋根上を眺める。

 3時間強の見学に参加した子どもたちからは、「パンタグラフの上げ下げが楽しかった」「洗浄機を通るときが面白かったけど……やっぱりぜんぶ楽しかった!」といった声が聞かれました。

 東京メトロは、「当社最大の車両基地である綾瀬車両基地では一般開放イベントの実績も多いのですが、そのほかの基地となると、参加者の動線確保など、公開には安全面の課題がともないます。今回はあくまで近隣の方に向け、300人限定という規模にしたことで可能になった側面もあります」と話します。今回の実績を踏まえ、ほかの車両基地においても同様に近隣住民へ向けた見学会を開催できるか、検討していくそうです。

【了】

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