動く戦車の保存が重要なワケ 紛糾必至? 防衛技術博物館、設立の意義と課題と危惧
目指す理想と、切っても切り離せない危惧
2010(平成22)年、「御殿場タンクミュージアム」構想としてスタートし、今回議員連盟の設立を実現した「NPO法人 防衛技術博物館を創る会」の小林雅彦 代表理事は防衛技術博物館の意義について、「全ての人に防衛に関する技術を伝えるためにあると位置付けており、そのなかでもっともご来館頂きたいのは次の世代を担う若者や子供たちである」といいます。
「海外に行けば数多くの動く戦車や素晴らしい博物館がありますが、現地に行ってそれを観る機会のある小学生が果たしてどれだけいるでしょうか。行く機会がないというだけで未来が失われるのはとても残念な事だと思います。学びの機会を与えるのが私たち大人の役割だと考えています。そこから何を学び得るかは皆さんの自由だと思います。博物館がその学びの機会の場になる事を信じて私たちは活動しています」
しかしながら、防衛技術博物館にはやはり課題も少なくないようです。展示の中心は兵器となりますから戦争史とは切っても切り離せず、紛糾は避けられないでしょう。またたとえばウクライナの大祖国戦争博物館(キエフ市)は、2014年に発生した内戦における戦死者の遺品を展示した結果、博物館以上の意味を持ってしまったといいます。こうした、技術史の継承という本来の目的以外の意味を持つ危険性も考えられます。
普通の文化財級の建築物すらまともに保存できない国だよ。兵器の保存なんて期待する方が根本的に間違っている。
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