なぜ組み合わせた、静岡駅の「チーズそば」 駅弁老舗のあくなき挑戦、その味は?
静岡駅構内の立ち食いそば店にて提供されている「チーズそば」。なぜその組み合わせなのでしょうか。誕生の経緯を聞きました。
1日4杯で10倍の集客?
静岡駅の東海道本線上下ホームにひとつずつ計2店舗を構える「富士見そば」は、同駅待合室で営業を始め、2017年で62年目を迎える老舗の立ち食いそば店です。一方で、一部では変わり種のメニューを出す店としても知られています。
そのひとつに「チーズそば」(440円、税込)があります。関東風の濃い色をしたつゆのいわゆる「日本そば」に、どういう発想でかチーズ40gがトッピングされているという、なかなかに異色のメニューです。揚げ玉と青ネギものっていますが、チーズさえなければじつに一般的な「駅の立ち食いそば」といえるもので、より一層、なぜにチーズを組み合わせたのかが謎です。
食べたことのある人にその味の印象を聞くと、「つゆの味とその熱でやわらかくなったチーズ、蒸し麺を使ったそばの相性が良く、ピザのようなイメージ」といいます。
富士見そばを運営するのは、創業120年以上の駅弁の老舗として知られる東海軒(静岡県静岡市)です。同社によると、「チーズそば」は「かき揚げそば」などの王道メニューに比べ、10代から20代の客が多いといいます。販売数は1店舗あたり、1日約4杯とのこと。
「チーズそば」が生まれた背景などについて、東海軒 構内事業部に聞きました。
――なぜそばにチーズをのせようと思ったのでしょうか?
立ち食いそば店に、女性客を取り込むために開発しました。「チーズそば」はその呼び水で、最終的にはそのほかのメニューも食べてもらいたいといったねらいがあります。おかげさまで、5年前までは女性客が1店舗あたり1日ひとりからふたりぐらいでしたが、現在では10人程度まで増えています。
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