「快速急行」ではなく「準特急」 歴史からたどる「京王らしさ」、その未来は

東京都心から多摩地域にかけて路線網を形成している京王電鉄は、多彩な列車種別と長編成化により都市間輸送や地域輸送、観光輸送などを担っています。その端々に息づいている「京王らしさ」を、今回、歴史的経緯からたどってみました。

京王らしい? 「準特急」という種別

 戦後、高度経済成長とともに、京王線系統、井の頭線ともに沿線人口が増大しました。各路線とも、通勤客の増加にあわせた対応を求められました。京王線は新宿と八王子・高尾間でJR中央線快速とライバル関係です。また、新宿~多摩センター間は小田急電鉄と直接対決の様相です。

 しかし、拠点間は競合しているとはいえ、途中の道のりは離れています。経由する沿線の地域輸送も重要です。そこで京王電鉄がとった戦略は、列車種別の多様化と長編成化でした。

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京王線平日7時~10時台のダイヤ。赤は特急、だいだいは準特急、緑は急行、黄緑は区間急行、青は快速、黒は各駅停車。種別が時間帯で使い分けられている(列車ダイヤ描画ソフト「OuDia」で杉山淳一作成)。

 現在、京王線系統の列車種別は特急、準特急、急行、区間急行、快速、各駅停車の6種類です。停車駅一覧を見ると、特急は拠点間輸送に特化する最速達種別。新宿~八王子・高尾間でJR中央線と競合し、新宿~多摩センター間で小田急と競合しています。

 この状況において2012(平成24)年に行われた、京王線と相模原線が接続する調布駅における両線の平面交差解消は、重要でした。それによって、調布駅名物だった京王八王子方面からの上り列車と、橋本方面からの上り列車が調布駅に同時進入する光景は見られなくなりましたが、ダイヤ設定の自由度は増し、列車種別は多様になり、鉄道ファンにとっては新たな楽しみにもなっています。

 準特急は全国でも京王電鉄だけの珍しい種別です。特急の停車駅に加えて、都営新宿線方面に接続する笹塚駅(東京都渋谷区)に停車するほか、千歳烏山駅(同・世田谷区)や高尾線内各駅に停車。急行の停車駅を減らした「快速急行」ではなく、特急の停車駅を増やした「準特急」と呼ぶところが、京王電鉄らしさかもしれません。

 井の頭線は12.7kmという短い路線です。JR山手線の渋谷駅とJR中央線の吉祥寺駅を短絡し、途中の明大前駅(東京都世田谷区)で京王線と接続しています。列車種別は急行と各駅停車の2種類。渋谷から吉祥寺まで、各駅停車は約30分かかるところ、急行は17分から20分ほどで走行。通勤ラッシュ時間帯を除き、各駅停車と交互に走っています。

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井の頭線の平日ダイヤ。急行と各駅停車は基本的に交互運転。ただし朝の通勤時間帯に急行はない(列車ダイヤ描画ソフト「OuDia」で杉山淳一作成)。

 井の頭線の最高速度は90km/h、京王線の最高速度は110km/hです。井の頭線は5両編成で運行頻度を高め、京王線は最大10両編成で多彩な種別を運行します。

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コメント

26件のコメント

  1. 「快速急行」ではなく「準特急」と呼ぶことが、ナゼ“京王らしい”と思ったのか?

    • 確かに。その答えは本文のどこにもない。私の読解力不足かもしれないが。

    • ホントにそう思う。釣り題名ですな。悪質。

    • 本当それだね。京王は列車種別の整合性に欠ける。準特急停まって急行通過、急行停まって各停通過。準特急の一方区間急行の存在。その下位は快速。

      その割に地下鉄線内と京王線内で種別を変える。

    • 京王は列車種別の整合性に欠ける。準特急停まって急行通過、急行停まって各停通過。準特急の一方区間急行の存在。その下位は快速。

      その割に地下鉄線内と京王線内で種別を変える。

  2. 自分が下高井戸の実家に住んでいた昭和の時代は、特急・急行・通勤急行・快速(下高井戸停車!)・通勤快速(朝晩に下高井戸を通過するだけの意地悪な快速)・各停の6種類しかありませんでした。

    最近は下高井戸に止まらない電車がやたらに増えて、どんどん不便になりましたが、都心近くに家があるんだから我慢しようと、負け惜しみを言っています。

  3. 株主、社員、顧客、三本の足で成り立つ器の例え!いい考え方だ!少し違うが毛利の三本の矢か、こういう企業は利用者の立場からしても応援したくなる、大した事はできないが利用者として可能な協力要請には応じていきたいと思う。

  4. あー、そうだね、そっちは気付かなかった、ただ記者自身の見方と取ればいいとは思うけど、長い記事に言葉が足りない感はある、しかし他の方の視線は鋭い!

    • 確かに“記者自身の考え”と解釈することも出来る。

      が、こうやって記事にしてアップしている以上、読み手を説得して「なるほどそうかもな」と思わせる必要があるんじゃないかな。

      一般的にこの手の記事って、「読んでくれ、そう思わないか?」って言いたいわけでしょ?だったら、読み手全員とはいわないまでも、大多数の読み手を説得出来るだけの具体例を出さなきゃいけないと思うのだ。

    • 確かに準では断固たる個性じゃないね、それにしても評判悪いね、

  5. 朝ラッシュの混雑、異常なノロノロ運転を何とかできなかったかな?急行で調布から新宿が35分って酷すぎ。

    来春の小田急複々線完了で相当逸走するのでは?

    • 当の京王は、まさにそれを狙っている。

      自分のところの客を、小田急に押し付けるつもりなのだ。

  6. 2面4線を2ヶ所増やしてもだんご運転の軽減にはあまりならない。強いて言えば遅延の減少くらい。

    しかし、今何でこんな記事を…

    あ、そうか府中市民かもね。昨日ようやく再開発終わったからかな。

    • でも、その府中でさえ品川駅や東京駅に行く時は京王ではなく、府中本町駅から南武線(或いは中央線快速)で武蔵小杉駅乗り換えが増えている。

      南武線の乗り換え客が急増した影響で横須賀線は東海道線より混雑します。

  7. 毎度思うけど専用車導入って真に顧客への思いやりなのかな?何かホームにまでバリケードあるし?警備員いるし?、そいで空いてる乗り口とか時差とか?行き来自由なはずのホームにまで専用車両名目に警備強化するくらいならそのせいで溢れる場所に警備誘導してもらいたいね、

    • 確かに顧客への思いやりと言って人員を配置するなら、女性はなるべく女性専用車に乗車するような誘導もしっかりとして欲しい。

      あと昔使っていましたが、夕方ラッシュ時の新宿駅での降車客の扱いも酷かった。

      3番線到着の電車の降車客は整列乗車で一旦降車ホームに降ろされますが、降車ホームにはルミネ口の階段がない…。

      そのため、ルミネ口へ行くには降車ホームで乗車客の乗車が済むのを待って、混んだ列車を通り抜けて3番線へ行く必要があった。

      この時、2番線の電車が両方のドアを開けていると降車ホームから1,2番ホームへすぐに抜けられて便利…なのだが、気の利かない車掌だとすぐ2番線の電車の降車側ドアを閉めてしまい通り抜けが出来ない。(2番線の電車は立ち客ほぼ0で通り抜けも楽々、3番線は特急なので混んでいて通り抜けしにくい。また、2番線の電車は3番線到着の電車の後の発車なのでドアを長く開けておくことになんの問題も無いはず)

      京王に意見を送ったら半年経ってやっと返事が来た上に結局何も対応なし…。

  8. 結局、色々と詰んでいるんだよね京王は。

    別記事でもコメントしたけど、小田急の複々線を心待ちにしてるのは京王(と東急)なんだよ。

    逆に言うと、京王自体は企業としての安全余裕率がマダマダ高いと言える。

    JR東日本形だね、目下本業も堅調だが副業がそれ以上に好調だし、余裕綽々なんだろう。

    • 京王はいつも整備投資が他の私鉄より高いのにそれだけの効果が出せてない。

      利用者増加率は京成の方が高い話もあるし。

      東急は小田急の複々線化完成を望んでいるが、大井町線の投資などは積極的に進めている。

      それに対して京王は西武多摩川線や中央線快速、南武線、小田急など混雑緩和が他社頼みなのがいけない。

      西武池袋線も石神井公園まで複々線化したお陰でラッシュの時間を短縮させ、京急も12両や蒲田駅立体化でラッシュ対策している。

      最も京王は驕り高ぶった平家となって後で痛い思いをすると思います。

    • 輸送力よりローコストオペレーションを大切にするから副業に傾注できる。インフラ代行等で地公体とべったり。

      投資会社から見れば絶好なのに乗っ取られないのは強みか弱点か。

  9. 手厳しい意見こそ安全強化の材料にしてほしいですね、大手だから安心とか?役所だから安心なんて思ったら地雷を踏むのと同じ、特に最近は大企業をバックにイメージを優先して売名して主等の都合で延びたり縮んだりする定義の許可、認可が蔓延してますからね、確かにラッシュ時間の遅延対策として時差乗車や各車両に散るよう利用者への要請も欠かせないとは思いますが、主等としてまだまだ欠かせない努力はあると思いますね

  10. 南大沢?だったかな?この近くに日帰り温泉が開業した当時に帰りに電車待ってたら、自動音声で電車が来ますと流れたから、確かに列車来たけど通過列車だったんだけど、何処でも今でもこんな調子なら?これが京王らしさか?

    • 自動音声ではありがちです。数年前の別府駅では貨物列車が通過中なのに「ご乗車ありがとうございました。別府、別府です」なんてアナウンスが流れて、誰が降りたんだ、と内心つっこみました。

  11. 京王といえば、大手私鉄随一の財政基盤と総延長の短さ。これにより、保線などの固定費用を比較的抑えられ、かつ短いながら人口密集地を走るため、効率の良い鉄道と言える。

    後は、高架化だな。世田谷区民が折れてくれれば良いのだが。千歳烏山と明大前のホームが狭く、人が密集すると危険極まりないので、すぐにでも取り掛かってほしい。

    • あんまり給料よくないらしいけどね(業界平均から見て。全業種から見ればいいんだろうけど。)

  12. 文中、「ダンゴ運転の象徴となっていた明大前駅と千歳烏山駅が、特急や急行が各駅停車を追い越せる2面4線の構造に変わります。これにより、ダンゴ運転は改善されそうです。ただ鉄道ファンとしては京王名物がまたひとつ減って、ちょっと寂しいところでもあります。」とありますが、ダンゴ運転の影響で開かずの踏切が発生し、地域住民が如何に迷惑しているかを思うとき、それを「京王名物」として面白がっていた人がいたとは本当に悲しい限りです。

  13. 阪急にしても京王にしても、準特急という種別を設定する私鉄は、競合するJRへの劣位や、逆に乗降客増の中で速達輸送を諦めざるを得なかった妥協戦略の中で誕生する。

    特急よりも停車駅を増やさないといけないが、速さのイメージを崩しなくないので特急系種別として亜種を作る。

    ここで、京急のように快特という上乗せ種別を設定することで種別インフレを起こし、特急を快速急行化してしまうというアクロバティックな戦略をとる私鉄もあるが、それに比べれば京王のやり方は実直で身の丈であり、つまりそれが京王らしさといえる。

    この差は、地元議会に対するスタンスの差からくるのではないか。特急の停車要望提案は地元議員の定番業務だが、これに「ハイハイ。特急は各区に停めますよ」と言いつつ快特を作ったのが京急。「特急は停められないけと準特急で勘弁してくれますか」と地味に行くのが京王、といったところではないだろうか。

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