国道ならぬ「酷道」の愛でかた 「酷ければ酷いほど愛おしい」、その魅力とは

国道には、「ここが?」と思うような細く狭い道や、なかには荒れ果てたような道も。そのような国道は愛好家のあいだで「酷道」と呼ばれ、親しまれているといいます。その実態とはどのようなものなのでしょうか。

「酷道」こそ日本の原風景

――なかでも「酷道」を楽しむポイントとはどのようなところなのでしょうか?

「酷道」の魅力は、日本の厳しい地形や、日本の原風景に触れられることではないかと感じています。国道の総延長は約5万5000kmありますが、必ずしも快走できる道ばかりではなく、なかには未舗装が続く険しい山岳ルートや、ガードレールもなく薄暗い峡谷を這うように伸びる国道もあります。戦後の経済発展とともに道路は著しく整備されていきましたが、そのような流れに取り残される形で断片化し、未改良のまま残されたのが「酷道」であり、日本の道の“本来の姿”を残しているものです。

 日本には、美しい自然に囲まれている反面、生活をおびやかす災害の危険性と隣り合せである集落もまだ多く存在します。そこでは「酷道」が、頼もしさと弱さとを併せ持つ生活路になっているのです。その一端に触れることで、「故郷」への愛おしさにも似た感情も抱くことでしょう。私のなかでは、道のりが酷ければ酷いほど、そのような感情が深く心に刻みこまれて定着しています。国道ファンが同じような想いを抱き、インターネットを通じて共有することで、「酷道」を愛でる人々の輪が広がていっているのではないかと考えています。

――「酷道」は何番台に多い、あるいは場所の傾向などはありますか?

 300番台や400番台に比較的多く存在しています。その多くは山地や山脈を縦横断するルートですが、なかには都市部の狭隘(きょうあい)な道もあります。

――「酷道」のこういうところに注目、あるいはこういうことに注意すべきというポイントはあるでしょうか?

 注意点としては、「酷道」の多くは道幅が1車線であるため、対向車とのすれ違いを想定しながら走ることです。無理をして狭い場所で対向車とすれ違うのではなく、できれば自らバックをするぐらいに余裕を持つことが大切です。また、ドライブのテクニックを競う場ではないので、たとえば遅いクルマがいたり、地元の方のクルマが走っていたりした場合には配慮すべきです。

 そうした“酷い”区間も含めて、「国道」をじっくりと味わうという気持ちが重要です。その見知らぬ土地の風土や、沿線の人々の暮らしを自分の感性で感じとるようにすると、面白さが拡がると思います。

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