飛行機からの緊急脱出、覚えておきたいポイント 手荷物NG、救命胴衣は座席NGのワケ(写真37枚)

起こりうる異常事態。飛行機でそれが発生した場合、どうしたらよいのでしょうか。「すべり台」の滑り方、救命胴衣を膨らませる場所など、知っておくと万が一のとき、役に立つでしょう。

これをクリアして、初めて着られる制服

 羽田空港付近に立地する、あるJAL(日本航空)の建物内部には、“プール”と飛行機の実物大模型が設置されています。海上に不時着した場合など、万が一を想定した救難訓練を行うための施設です。

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羽田空港付近の建物内にあるJALの救難訓練施設。プールや実物大の飛行機模型などを備える(恵 知仁撮影)。

 JALでは、新人CA(客室乗務員)の訓練にあたってまず救難訓練を実施しているとのこと。「CAは保安要員」であることを自覚するためといい、救難訓練の筆記審査、実技審査を通らないと制服を着られないそうです。

 また機材によってやり方が異なるため、機材ごとのそれを学ぶ「型式訓練」もここで実施されており、試験を経たのち、その機材へ乗れるようになります。JALの「新人訓練」ではボーイング777、767、737を学び、国際線へ行くときに787を学ぶといいます。

 この施設では新人のほか、さまざまな人を対象にした訓練が行われており、特徴的なもののひとつが「復帰訓練」です。半年以上休業した場合、資格が失効するため再試験が必要なほか、長く休んだ場合は5日間の訓練と試験を受けねばなりません。女性が多いCAという仕事、産休などで長く休んだ場合、ここで再び学び、空へ戻っていくわけです。

 CAが年に1回、必ず行うよう決まっている定期救難訓練もここで実施されるほか、JALでは現在、地上スタッフもここで研修を行っているそうです。対象はJALグループ全社員およそ2万人。JALグループの人間として飛行機に乗ったとき、「援助者」として適切に行動できるようにするためといいます。

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5件のコメント

  1. 実際に使わないに越したことはないが。ただ、外国の航空会社で同様の訓練、研修をきちっとしているかどうかが問題。特に・・・

  2. とは言え、いざというときは助からん。
    32年前のように、訓練そのものを生かせないケースがほとんどだろう。

    ただ、あの1件以来、日本の航空会社が死亡事故を起こしていないのは賞賛すべきだろう。
    色々叩かれつつも、安全対策に関してはピカイチなのだ。

    • 何年か経過してフライトレコーダーが公開されて一部を聴いただけでも身震いしたよ、あの状況でも冷静に機をたて直そうとする操縦席のやりとりこそ今の安全への基板だと思うし、逆にあれ以来油圧系統を分けるバックアップ技術は自動車の技術にも応用されたりあの犠牲の中で様々な業界が多くを学んだと思う、

  3. 日本の国内航空会社は最近重大事故は少ないにしてもインシデントは散発しているのでハインリッヒの法則からするとそろそろなにか起こしてもおかしくない。
    …そう考えて、「勝って兜の緒を締めよ」ではないですが、ちまたの安全神話などの声に浮かれることなく、日々の訓練やハード・ソフト両面の安全対策を着実に実施していただきたいものです。

    先日の東海道新幹線の停電事故のように「もしものときに備え普段から乗客の皆様を下り線から上り線の救援列車に移す訓練してます」とアピールしておきながら缶詰にされたら、それこそ航空事故ではかないませんので。

  4. ともあれ行動の理由を含めて知っておくにこしたことはないし、訓練に参加してみたいものである。