非武装の戦闘機、なにに使う? サーブ「グリペン」新コンセプト「アグレッサー」とは

実のところアグレッサーに最適だった?

「グリペンC」は他国の同世代機に比べると、かなり小さい機体です。単発搭載するエンジンはF/A-18「ホーネット」用のF404を原型としており、F/A-18は双発機ですから、「グリペンC」はその半分程度のパワーしかありません。

 ゆえに搭載能力や航続距離などは、同世代機に比べてやや見劣りすることは否めませんが、そのぶん調達コストや運用コストを可能な限り抑え「安価かつ使いやすさを重視」するという、スウェーデン独自の思想を重視しています。

「グリペン・アグレッサー」を実際にアグレッサーとして使用するには、航続距離はそれほど重要ではありませんし、ミサイルの発射シミュレーションを行うとしても実弾を搭載する必要がないので、これらの欠点を帳消しにしたうえで安価であるという長所だけを享受することができます。

 もちろん戦闘機としての高い機動性を持っていますし、視程距離外交戦を可能とする高性能レーダーや戦術デジタルネットワークであるリンク16へ対応するなど、現代機として要求される能力も備えます。

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コメント

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3件のコメント

  1. 空中戦の技量向上を目的とする仮想敵機としては、高等練習機よりも維持費が高く、だからといって実戦にも使えない。何らメリットは感じられない。

  2. 「派生型」ということはどこか実戦機とは違うのでしょうが、何も記述がありません。機銃やパイロンをダミーにするとかしてるだけなのでしょうか? その程度でも派生型と呼ぶのでしょうか?
    自国で配備してない「ほぼ」実戦機のアグレッサーというのは、その速度や運動性などで、より実戦に近い訓練ができるようになるのでしょうね。

    • 自国で配備していない、ということは、その少数のアグレッサーのためだけに整備部品、要員教育を新しく構築しなければならないし、そうなると全体の維持コストが高くなる。だったらまだしも高等練習機や旧式機をアグレッサーに当てた方がまし。この場合は複座機を充当すればよいだけで、わざわざ開発する必要もない。
      日本ならX-2を本格的なアグレッサーにすれば意外と面白い結果になりそうだが、そこまでは考えてないだろうな。ついでに。本文でキネティック社が民間企業とありますが、もともとキネティック社はイギリス軍の技術開発部門が独立したものであって、本来の意味での民間企業ではありません。