新幹線通勤、補助する自治体が増えているワケ 移住や定住促進 その先は…?
月5万円まで補助する自治体も!
移住者だけでなく、地元出身者を補助金の対象としている自治体もあります。
移住者にも定住者にも 新潟県湯沢町
湯沢町の人口は約8100人(2017年8月末現在)。町内にある上越新幹線の越後湯沢駅から東京駅までの距離は約199kmで、通勤定期券は1か月で14万8870円です。
湯沢町の通期費補助制度は、定期券購入費用から通勤手当を控除したぶんの半額を補助する点は前出の佐久市と同様ですが、その上限額はひと月あたり5万円、補助期間は最長10年間とされています。対象は、「湯沢町への移住促進のための住宅取得補助金」の要件を満たした世帯主および配偶者のほかに、湯沢町に通算15年以上居住していた、あるいは居住している30歳未満の人も含まれます。同町企画政策課に聞きました。
――湯沢町の通勤費補助制度には、どのような目的があるのでしょうか?
移住の促進と転出の防止、双方を目的に2016年8月から開始しました。移住された方、あるいはもともと湯沢町にお住まいの若い世代が、「町内に仕事がないから転出する」ということなく、町内から勤務先へ通っていただくことで定住を促します。
――補助の上限額や期間が、ほかの同様事例平均より手厚いように感じますが、どのような理由があるのでしょうか?
制度設計で参考にしたほかの自治体と比べると手厚いでしょう。支出は大きいかもしれませんが、それによって得られる住民税や地方交付税のほうが、メリットが高いと計算しています。何より、10年という期間はほかに例がありません。補助を2、3年で終えるよりも、10年くらい設定したほうが、転出のリスクを抑えられるからです。たとえば、町内へ移住されて補助金を利用される方については、35歳前後の子育て世代を想定していますので、10年のあいだに補助対象者がより高い役職に就けば、結果的に税収のアップにもつながります。
これから導入する栃木県小山市、その目的は?
東北新幹線の小山駅がある小山市は、人口が微増傾向にあるにもかかわらず、新幹線通勤費補助金の導入を予定しています。人口は約16万7400人(2017年9月1日現在)で、東京~小山間の距離は約81km、通勤定期券は1か月7万7310円です。同市工業振興課に話を聞きました。
――なぜ新幹線通勤費の補助金を導入するのでしょうか?
大学などを卒業して働き始めた世代で市からの転出が多かったことから、その対策を目的としていました。ただ、移住してきた人へもこの制度を適用できるよう、対象を見直しています。
――具体的な内容はどのようなもので、いつからはじまるのでしょうか?
市内在住の新卒者と、2017年4月以降に小山市へ転入された方に適用できるよう調整しています。東北新幹線の小山~上野間あるいは小山~東京間の通勤定期購入費について、通勤手当を控除した自己負担分をひと月あたり最大1万円、最長36か月間補助します。
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小山市工業振興課によると、「現時点でも10人程度から問い合わせをいただいています。早ければ2017年11月から導入できるよう準備を進めている」そうです。
たまに考えることがある。
在京大手私鉄沿線に住んで混雑率200%の通勤電車ですし詰め2時間というケースと、200km離れているが新幹線で確実に着席できて1時間強というケース、どちらが賢いのだろう?と。
ただのアイロニーと言えばそれまでだが。